[指定P2-2] Hybrid Emergency Room(Hybrid ER)導入後に明らかになった初療教育の課題と解決に向けた方策
当センターは,大阪府下にある768床を有する急性期病院であり,私たち救命センターの72人の救急看護師は,30床の高度救命救急センターのうちの18床の救急部門(TCU)と一次から三次の救急外来を担当している。救急外来から入院し,集中治療終了まで継続した看護を提供できることが当センターの特徴であり,看護師1年目から初療対応を経験できることを目標に教育体制を整備している。
2011年8月救急外来の1つの初療室にIVR‐CT設備を導入した。これにより患者は移動する事なくCT検査による診断と動脈塞栓術や手術などの治療が出来るようになった。この世界初の救急初療室をHybrid ERと命名した。Hybrid ER導入により治療成績は上がったが,若手看護師とそれを指導する中堅看護師の負担が増え,当センターの初療教育は転換期を迎えた。看護師はHybrid ERでの救急初療に期待と同時に不安とストレスを感じており,その原因はHybrid ERにおける治療に関する知識と技術の未熟さによる不安やストレス,さらに,医師との協働におけるコミュニケーションの問題などであることがわかった。
これらを解決するために2015年12月より,症例を担当した医師・看護師がペアとなり,初療ビデオなどの記録から自分たちの動きを振り返り,その内容を共有するための検討会を医師・看護師・放射線技師・薬剤師等とともに始めた。その検討会の積み重ねから頭部外傷に対するNEC(Neurological Emergency Call:神経緊急宣言), 骨盤外傷におけるPEC(Pelvic Emergency Call:骨盤緊急宣言)の2つのプロトコールを作成した。このプロトコールは,必要な物品,薬剤,処置をリスト化することで,Hybrid ERでの看護師の動きを標準化し,かつ迅速化するのに役立っている。この検討会は月に2回行われ,医師のHybrid ER特有の治療戦略を共有しながら,若手看護師は新しい救急初療について学習し,中堅看護師は他人の症例対応を見ることで自らのモチベーション向上と研鑽に役立てている。
初療教育には様々な方法が考案され,各施設で行われているところである。Hybrid ERでの救急初療には,今までとははるかに速いスピードで初療対応をする必要があり,これまでの段階的な看護実践教育に留まらず,医師,放射線技師,薬剤師を含めた多面的なチームとしての取り組みが重要であると考える。そのためには初療チーム全体の動きを把握するための,初療ビデオを参考にした多職種の検討会は,自分が参加していない症例を共有でき,若手看護師が救急初療をイメージできることにつながった。そのような救急初療教育環境によって,今後の更なる救命率の向上と,患者や家族への安心につながるような看護展開が期待される。
2011年8月救急外来の1つの初療室にIVR‐CT設備を導入した。これにより患者は移動する事なくCT検査による診断と動脈塞栓術や手術などの治療が出来るようになった。この世界初の救急初療室をHybrid ERと命名した。Hybrid ER導入により治療成績は上がったが,若手看護師とそれを指導する中堅看護師の負担が増え,当センターの初療教育は転換期を迎えた。看護師はHybrid ERでの救急初療に期待と同時に不安とストレスを感じており,その原因はHybrid ERにおける治療に関する知識と技術の未熟さによる不安やストレス,さらに,医師との協働におけるコミュニケーションの問題などであることがわかった。
これらを解決するために2015年12月より,症例を担当した医師・看護師がペアとなり,初療ビデオなどの記録から自分たちの動きを振り返り,その内容を共有するための検討会を医師・看護師・放射線技師・薬剤師等とともに始めた。その検討会の積み重ねから頭部外傷に対するNEC(Neurological Emergency Call:神経緊急宣言), 骨盤外傷におけるPEC(Pelvic Emergency Call:骨盤緊急宣言)の2つのプロトコールを作成した。このプロトコールは,必要な物品,薬剤,処置をリスト化することで,Hybrid ERでの看護師の動きを標準化し,かつ迅速化するのに役立っている。この検討会は月に2回行われ,医師のHybrid ER特有の治療戦略を共有しながら,若手看護師は新しい救急初療について学習し,中堅看護師は他人の症例対応を見ることで自らのモチベーション向上と研鑽に役立てている。
初療教育には様々な方法が考案され,各施設で行われているところである。Hybrid ERでの救急初療には,今までとははるかに速いスピードで初療対応をする必要があり,これまでの段階的な看護実践教育に留まらず,医師,放射線技師,薬剤師を含めた多面的なチームとしての取り組みが重要であると考える。そのためには初療チーム全体の動きを把握するための,初療ビデオを参考にした多職種の検討会は,自分が参加していない症例を共有でき,若手看護師が救急初療をイメージできることにつながった。そのような救急初療教育環境によって,今後の更なる救命率の向上と,患者や家族への安心につながるような看護展開が期待される。