第14回日本クリティカルケア看護学会学術集会

講演情報

教育講演

教育講演10
クリティカルケアにおける安全な酸素療法 ~酸素療法からネーザルハイフロー~

2018年7月1日(日) 13:40 〜 14:40 第7会場 (2階 蓬莱)

座長:中田 諭(聖路加国際大学看護学研究科)

[EL10] クリティカルケアにおける安全な酸素療法 ~酸素療法からネーザルハイフロー~

露木 菜緒 (杏林大学医学部付属病院)

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 クリティカルケア領域では、呼吸状態の悪い患者が多く酸素療法は日常的に行われているが、その適切な使用方法や仕組みを理解せず使用していることも多い。ここでは、基本的な低流量システムと高流量システムの違いや、間違いやすい設定方法などを解説する。
 また、酸素療法は状態に応じてデバイスを変更する必要がある。鼻カニューラを用いて高流量酸素療法を可能にしたNasal High Flowシステム(NHF)は、クリティカルケア領域では使用する頻度も高い。従来の酸素療法デバイスは、酸素濃度と加湿面に問題を抱えているが、NHFはその問題を解決し、分泌物のクリアランスの改善や標準的な酸素療法には反応しない呼吸不全に対しても有益な効果を得ている。しかし、利点の多いNHFではあるが、管理上では押さえておきたい注意点もある。
 一方、NHFの登場でより高濃度の酸素療法が可能になっているが、酸素療法には功罪がある。酸素は生体にとって必要であるが、余剰な酸素は害になることも知っておく必要がある。最後には酸素療法の合併症にも触れていく。