第14回日本クリティカルケア看護学会学術集会

講演情報

教育講演

教育講演3
診療報酬改定をめざしたとりくみ -実践・研究-

2018年7月1日(日) 09:05 〜 10:05 第3会場 (2階 桃源)

座長:明神 哲也(東京慈恵会医科大学医学部看護学科)

[EL3] 診療報酬改定をめざしたとりくみ -実践・研究-

宇都宮 明美1,2 (1.京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻, 2.京都大学医学部附属病院)

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平成30年度診療報酬改定において、クリティカルケア領域においては、特定集中治療室管理料1/2において、看護師要件の追加と新たに早期リハビリテーション加算が追加された。クリティカルケア領域での看護師要件などに踏み込んだ評価は本邦初となる。また、緩和ケアの対象患者に心不全患者も拡大されたこと、退院支援から入退院支援の推進へと名称を変更することで切れ目のない看護の提供を推進するものとなった。
 本学会は、看護系学会等保険連合(看保連)から特定集中治療室管理料の看護師要件追加を申請してきた。昨年の学術集会では将来構想委員会主催の交流集会として、申請に向けての調査結果を会員の皆さまと共有する機会をもった。本講演では本案件の申請者として、申請から決定までのプロセスと改定内容を解説する。
 診療報酬はエビデンスに基づく実践や効果的なケアやシステムに対して、支払われる対価という見方ができる。申請において困難をきたしたのが、クリティカルケア領域におけるケアエビデンスの少なさ、認定看護師・専門看護師の実践の曖昧さであった。今回の診療報酬改定は結果ではなく、実践を可視化する、実践のアウトカムをデータとして示すことへの取り組みの必要性という課題を突き付けられたともいえる。この課題をクリティカルケア領域の看護師・研究者で共有し、学会として取り組むべき課題を検討したいと思う。