第14回日本クリティカルケア看護学会学術集会

講演情報

教育講演

教育講演5
重症患者を回復へと導くための栄養管理

2018年7月1日(日) 10:15 〜 11:15 第2会場 (5階 小ホール)

座長:亀井 有子(市立岸和田市民病院 看護局)

[EL5] 重症患者を回復へと導くための栄養管理

清水 孝宏 (那覇市立病院 看護部)

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クリティカルケア領域の患者さんは様々な疾患や病態、全身状態が複雑に絡み合っています。このような患者さんの回復に最も重要なのは適切な診断と治療です。適切な診断がなされ治療が進んでいても回復には時間を要することが多々あります。この回復までの期間に新たな合併症を予防するための取り組みが大変重要です。代表的な合併症として感染症や筋力低下、せん妄などが挙げられます。これら合併症は生命予後への影響やICU退室後や退院後の日常生活へも影響します。我々クリティカルケア領域に携わる看護師はこのような合併症に注目し、いかに合併症を防ぐか、あるいは合併症を最小限に食い止めるかを日々考えながら看護をしているのではないでしょうか。重症患者への栄養管理もこのような合併症を予防するための取り組みのひとつです。例えば入院早期から実施する経腸栄養には感染性合併症を予防する効果が期待できます。栄養投与におけるタンパク質の十分な補充は筋力低下を予防する効果が期待できます。このような効果が栄養管理で期待できる一方で、重症患者は消化管の蠕動運動は低下し消化吸収能は低下しています。また侵襲による炎症や耐糖能異常、各種臓器機能障害の合併も多いため、十分な注意が必要です。
私自身、基礎教育では栄養管理にはそれほど興味はありませんでした。しかし実際の臨床では栄養管理の重要性を改めて認識し、日々患者さんの回復に寄与する栄養管理を学んでいるところです。
本教育講演では重症患者への栄養管理の意義や具体的な栄養管理の方法について、栄養管理に興味が湧き、栄養管理が楽しくなれるようなお話しができればと考えています。