第14回日本クリティカルケア看護学会学術集会

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一般演題(口演)

一般演題(口演) O1群
呼吸・循環管理

Sat. Jun 30, 2018 2:30 PM - 3:30 PM 第4会場 (2階 福寿)

座長:伊藤 聡子(神戸市看護大学), 座長:山崎 千草(東京女子医科大学大学院)

[O1-1] サブストラクション・アウトカムモデルを用いた人工呼吸器離脱への介入に関する文献検討

竹下 智美1, 清村 紀子2 (1.大分大学医学部附属病院, 2.大分大学)

【目的】 
近年、人工呼吸器離脱に関する様々な研究成果の報告がある。しかし、介入方法やその結果に用いられる指標は論文ごとに異なり、研究成果の比較には限界がある。本研究は人工呼吸器離脱の介入に関する研究成果の比較検討をより容易にすることを目指し、サブストラクション・アウトカムモデルを用いた文献検討によって、1)人工呼吸療法中の患者情報、2)人工呼吸器離脱介入において必要なケア、3)人工呼吸器離脱のアウトカム、の指標を明確にすることを目的とした。
【方法】 
「人工呼吸器取り外し」(医中誌Web)、「ventilator weaning」「randomized controlled trial」(PubMed・CINAHL)をキーワードに2011~2016年の文献を検索し、抽出された121件のうち、アルゴリズムに従って厳選した13件を対象にサブストラクション・アウトカムモデルを用いて文献検討した。
【結果】 
≪人工呼吸療法中の患者≫に≪人工呼吸器離脱への介入≫を行うことが≪QOL≫につながる、という仮説が成り立つ。これら3つを構成概念に設定し文献検討した。得られた結果は図で示す。
【考察】 
サブストラクション・アウトカムモデルは、複数の文献を規則性に従って統合し、抽象度の高い研究枠組み(構成概念)から、データとして収集する具体(経験的指標)へと整理していくもので、新たな研究設計に有用とされることから、本研究の目的とする一貫性・妥当性のある変数・測定用具の抽出に適した方法と言える。 
≪人工呼吸療法中の患者≫を構成していた経験的指標である、基本属性・重症度(意識レベル・APACEH2)は、人工呼吸器からの離脱に影響する患者の予備力等を反映しており、離脱を安全に進める上で妥当な指標と考える。また、≪人工呼吸器離脱への介入≫は、人工呼吸器離脱のための何らかの標準的方法・人工呼吸療法中のスタンダードケアの2つに整理された。いずれも1)標準化の進む介入である、2)安楽の保持・合併症予防に有効なケアである、の観点から、合併症を予防し早期離脱につながる有効な介入と判断できる。介入の目的は安全かつ早期の人工呼吸器離脱にあることから、評価すべきアウトカムである≪QOL≫で抽出された人工呼吸期間・人工呼吸器離脱時間は早期離脱の結果を示し、再挿管の有無・NPPV使用の有無などは離脱の安全性を示すことから、離脱への介入成果として妥当な指標と考えるものである。

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