[O3-5] 集中治療室における家族のケア参加に対する支援の検討―集中治療室看護師の視点から―
【目的】
集中治療室(以下ICU)に入院中の患者の家族は,看護師が予測するよりも患者のケアに参加することを望んでいると言われている。家族のケア参加により,患者・家族は安心感を獲得することが出来る等の効果が報告されており,家族のケア参加に対する支援の検討が必要とされている。
本研究の目的は,ICUで看護師が行う家族のケア参加に対する支援を明らかにし,ICUで家族により良いケア参加の支援を提供するための示唆を得ることである。
【方法】
対象施設:関東圏内の救急外来を有する施設のICU
対象者:家族のケア参加の支援を行った経験があり,チームで家族支援を行う能力があると該当部署の師長から推薦を受けた看護師
調査内容:対象者の基本情報,対象者が想起した1事例を中心に家族のケア参加の支援について
調査方法:自記式質問紙と半構造化面接
分析方法:質的帰納的分析
倫理的配慮:所属大学及び対象施設の倫理審査委員会の承認後,対象者に口頭と書面にて研究目的と理的配慮の内容を説明し,同意を得た
【結果】
対象者は,3施設のICUに勤務する看護師12名であり,看護師経験年数は平均10年(5~21年),ICU経験年数は平均4.2年(2~12年),男性2名,女性10名であった。全体分析の結果,【家族の負担を最小限にすることを意識してケア参加の支援を行う】,【ケア参加中の患者の安全を確保するために,ICU全体の患者と業務の状況に配慮する】,【特殊な環境において,家族がケア参加をしやすくなるように配慮する】,【ケア参加の提案を断っても家族が患者と関わることが出来るように,支援方法を工夫する】,【家族の満足に繋がるように,家族の希望に合わせた方法でケア参加を支援する】,【家族が集中治療中の患者の変化を直に感じることで,状況を把握できるように支援する】,【家族がケアに関わることが患者に寄与するように,ケア参加を支援する】,【患者の死に向き合う家族の心理的ケアを意図して,ケア参加を支援する】,【回復傾向の患者を家族が援助できるように,社会復帰に繋がるケア参加を支援する】,【家族が主体的に患者と関わることが出来るように,家族の意向を尊重して支援する】,【家族との信頼関係の構築に向けて,家族の様子に合わせて対応する】,【個別性のある看護を提供するために,ケア参加の支援を通して,家族から詳細な情報を収集する】,【ケア参加を支援する必要がある家族に継続して介入できるように,看護チームで協力する】の13のコアカテゴリーが明らかとなった。
【考察】
以上の結果から,ICUで行う家族のケア参加に対する支援は,「ケア参加中の患者の安全と家族の負担の軽減を目的とした支援」,「ケア参加時の関わりの中で把握することができる患者や家族への効果を意識した支援」,「家族とともに患者のケアを行うことを意識した支援」,「ケア参加を継続して行うための支援」の4つの特徴があると考えた。家族のケア参加に対する効果的な支援として,家族の持つ力を引き出すことが出来るように家族の主体性や意向を尊重した支援を行うことや,意図したケア参加の効果を得ることができるように患者と家族の状況や家族の希望に合わせたケア参加の支援を行う等の支援の必要性が示唆された。
【結論】
本研究では,患者の状況や家族の心理状況,ICUという特殊な環境を考慮し,ケア参加が患者や家族にとってどのような意味を持つかを考えたうえで,患者と家族が関わることを促す看護師の支援が,家族の満足や状況理解の促進に繋がる可能性が示唆された。
集中治療室(以下ICU)に入院中の患者の家族は,看護師が予測するよりも患者のケアに参加することを望んでいると言われている。家族のケア参加により,患者・家族は安心感を獲得することが出来る等の効果が報告されており,家族のケア参加に対する支援の検討が必要とされている。
本研究の目的は,ICUで看護師が行う家族のケア参加に対する支援を明らかにし,ICUで家族により良いケア参加の支援を提供するための示唆を得ることである。
【方法】
対象施設:関東圏内の救急外来を有する施設のICU
対象者:家族のケア参加の支援を行った経験があり,チームで家族支援を行う能力があると該当部署の師長から推薦を受けた看護師
調査内容:対象者の基本情報,対象者が想起した1事例を中心に家族のケア参加の支援について
調査方法:自記式質問紙と半構造化面接
分析方法:質的帰納的分析
倫理的配慮:所属大学及び対象施設の倫理審査委員会の承認後,対象者に口頭と書面にて研究目的と理的配慮の内容を説明し,同意を得た
【結果】
対象者は,3施設のICUに勤務する看護師12名であり,看護師経験年数は平均10年(5~21年),ICU経験年数は平均4.2年(2~12年),男性2名,女性10名であった。全体分析の結果,【家族の負担を最小限にすることを意識してケア参加の支援を行う】,【ケア参加中の患者の安全を確保するために,ICU全体の患者と業務の状況に配慮する】,【特殊な環境において,家族がケア参加をしやすくなるように配慮する】,【ケア参加の提案を断っても家族が患者と関わることが出来るように,支援方法を工夫する】,【家族の満足に繋がるように,家族の希望に合わせた方法でケア参加を支援する】,【家族が集中治療中の患者の変化を直に感じることで,状況を把握できるように支援する】,【家族がケアに関わることが患者に寄与するように,ケア参加を支援する】,【患者の死に向き合う家族の心理的ケアを意図して,ケア参加を支援する】,【回復傾向の患者を家族が援助できるように,社会復帰に繋がるケア参加を支援する】,【家族が主体的に患者と関わることが出来るように,家族の意向を尊重して支援する】,【家族との信頼関係の構築に向けて,家族の様子に合わせて対応する】,【個別性のある看護を提供するために,ケア参加の支援を通して,家族から詳細な情報を収集する】,【ケア参加を支援する必要がある家族に継続して介入できるように,看護チームで協力する】の13のコアカテゴリーが明らかとなった。
【考察】
以上の結果から,ICUで行う家族のケア参加に対する支援は,「ケア参加中の患者の安全と家族の負担の軽減を目的とした支援」,「ケア参加時の関わりの中で把握することができる患者や家族への効果を意識した支援」,「家族とともに患者のケアを行うことを意識した支援」,「ケア参加を継続して行うための支援」の4つの特徴があると考えた。家族のケア参加に対する効果的な支援として,家族の持つ力を引き出すことが出来るように家族の主体性や意向を尊重した支援を行うことや,意図したケア参加の効果を得ることができるように患者と家族の状況や家族の希望に合わせたケア参加の支援を行う等の支援の必要性が示唆された。
【結論】
本研究では,患者の状況や家族の心理状況,ICUという特殊な環境を考慮し,ケア参加が患者や家族にとってどのような意味を持つかを考えたうえで,患者と家族が関わることを促す看護師の支援が,家族の満足や状況理解の促進に繋がる可能性が示唆された。