第14回日本クリティカルケア看護学会学術集会

講演情報

一般演題(口演)

一般演題(口演) O6群
看護教育

2018年7月1日(日) 10:15 〜 11:15 第7会場 (2階 蓬莱)

座長:平尾 明美(神戸大学医学部附属病院), 座長:河合 正成(敦賀市立看護大学 看護学部看護学科)

[O6-3] 看護師のワーク・エンゲイジメントと職場サポート、 職場コミュニティ感覚および自律性の関連

渡邉 成美1, 金子 あけみ2, 松本 和史2 (1.済生会横浜市南部病院, 2.東京医療保健大学 東が丘・立川看護学部)

【目的】クリティカルケア領域における看護師のWork Engagement (以下WEと略す)と職場サポート (上司), 職場サポート (先輩), 職場コミュニティ感覚及び看護師の自律性の関連を明らかにする。
【方法】対象者は, 関東圏4病院のクリティカルケア領域 (ICU, HCU, CCU, 救外/救命センター)に勤務する2年目以上の看護師とし, 無記名自記式質問紙調査を実施した。調査内容は基本属性, WE, 職場サポート (上司), 職場サポート (先輩), 職場のコミュニティ感覚, 看護師の自律性であった。単変量解析と重回帰分析によりWEに関連する要因を分析した。なお, 本研究は研究者の所属大学倫理委員会の承認を得た上で実施し, 研究趣旨や匿名性確保の方法および回答の有無によって対象者が不利益を被らない旨を文書で説明した。
【結果・考察】看護師262名に配布し, 151名(有効回答率57.6%)から有効回答を得た。平均年齢は29.9±6.8歳, 全体のWE平均値は2.5±1.3であり, 先行研究との比較では, 一般的な女性労働者, 病棟看護師およびICU看護師と差異はなく同レベルのWEを有していた。
単変量解析でWEとの関連を認めた基本属性は, 年齢, 婚姻, 子供の有無, 看護師経験年数であった。WEは, 年齢及び看護師経験年数が高くなるに伴い上昇した。経験が仕事の能力や自信を培い, WEを向上させると考える。また, WEは既婚者, 子供がいる者の方が高く,家族の存在や家庭生活が仕事の切り替えを上手くサポートし, 活力・熱意・没頭とのバランスを取り仕事意欲の向上を高める可能性があると考えた。
WEを目的変数とした重回帰分析(表)の結果,職場コミュニティ感覚, 自律性,婚姻状況で有意な関連を示した。職場のコミュニケーションを円滑にし, 相互支援し合える環境を作ることが重要であることが示唆された。 WEを高めるために, 役割を持たせ, 目標設定を具体化し, 良きロールモデルを作るなど自律性を養う支援が必要であると考える。
【結論】WEとの間で有意な関連がみられたのは, 職場コミュニティ感覚, 自律性, 婚姻であった。WE得点は職種および部署に伴う差異はなかった。クリティカルケア領域において良い職場環境を築くことはWE向上に繋がり,役割遂行や価値を見出すことで自律性が養われWE向上に繋がる可能性が示唆された。

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