第14回日本クリティカルケア看護学会学術集会

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一般演題(示説)

一般演題(示説) P2群
看護教育

Sun. Jul 1, 2018 9:15 AM - 9:45 AM ポスター会場 (1階 展示ホール)

座長:今井 亮(文京学院大学 保健医療技術学部看護学科)

[P2-3] 基礎看護教育における手術室看護実習指導の現状と課題

下地 紀靖 (公立大学法人 名桜大学 人間健康学部 看護学科)

【目的】 手術室看護実習の現状は、特殊な環境の中で実習が行われるため手術室内での学生指導は教育側から実習指導者側に一任されている傾向がある。手術室看護実習の教育に関する文献では、手術室看護実習を通しての学生の学び(奥村2003)(北村2004)。実習記録の検討(奥村2003)はあるが、臨床指導者や教員への調査は少ない。そこで今回、臨床指導者と担当教員へのアンケートをもとに手術室の看護実習の教育の現状と課題について検証した。【方法】同意の得られた県内手術室看護実習を実施している病院11施設の手術室に勤務する看護師154名及び5つの教育機関の急性期看護を担当する看護教員15名を対象とした。分析方法:アンケート調査を元にした臨床指導者と看護教員間の認識に関する比較・検討した。倫理的配慮として、名桜大学研究倫理審査委員会の承認を得た。(承認番号28-001-1)【結果】 対象の属性として看護師経験年数は臨床指導者13.9年(± 8.1 )看護教員は、21.0 年(±10.2)。手術室経験年数臨床指導者9.1年(±6.2 )看護教員経験年数12.5年(±7.3 )である。臨床指導者の教育に関する研修の受講の有無に関しては、受けている17名(11.0%)、受けていないものが137名(89.0%),看護教員は、受けている12名(80.0%)、受けていないものが7名(20.0%)である。実習指導内容の「現在の実習の達成度」「需要度」における比較では表1の通りである。【考察】臨床指導者と看護教員の比較では、「医療安全や環境の理解」など看護教育内容として必要な項目としての達成度において、お互いの認識に差が生じていた。また「チーム医療・連携」「病棟実習の連携」で差があるが、実際に多職種との連携やケアの継続を、実際どのように教授していくのかが課題となった。さらに特殊環境下における学生へのサポートとして「恐怖心・緊張の軽減」が必要であることが伺え効果的な学習環境づくりが求められている。また手術室での特殊な環境での看護での魅力・関心を描かせるような教育内容の検討も必要である。達成度と重要度の比較では、「心理的援助」「手術倫理」での両者とも差があり、患者が命を託さないといけない現場の中で、看護独自の視点での教授法の検討が必要である。「病棟との連携」においても、看護独自のケアの継続の連携の教授法の検討が望まれる。全般において指導者教員間での学びの共有と連携が必要となる。

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