[PD1-2] 人工呼吸器離脱に関するコンフリクト~救急病床および一般病棟での離脱プロトコル導入をめざして~
人工呼吸器は様々な領域の患者に使用されている。長期の人工呼吸器装着や気管挿管は合併症リスクを増加させるため、早期の離脱・抜管が重要となる。一方で早すぎる離脱・抜管は、不十分な酸素化や呼吸筋疲労などにより呼吸状態を悪化させ、患者にとって更なる侵襲となる可能性がある。
集中治療医学会は2010年に我が国独自の人工呼吸器関連肺炎(VAP)バンドルを提言した。また、人工呼吸患者の管理を包括的に改善するために提唱されたABCDEバンドル(近年「F:患者家族」の要素が追加された)や日本版・集中治療室における成人重症患者に対する痛み・不穏・せん妄管理のための臨床ガイドライン(J-PAD)も徐々に普及している。2015年には人工呼吸器を主導する3学会(日本集中治療医学会・日本呼吸療法医学会・日本クリティカルケア看護学会)から、早期の安全な呼吸器離脱を推進するため「人工呼吸器離脱に関する3学会合同プロトコル」が発表された。プロトコルは標準的内容を提案したものとされ、各施設にあった展開が期待されている。
当院は病床数1048床の地域救急を担う急性期病院である。肺炎や慢性呼吸不全急性増悪などの呼吸器疾患患者だけでなく、敗血症や外傷、心不全など多岐に渡る病態の患者で人工呼吸器が装着されている。診療科は42科(部)あり、一般病棟でも人工呼吸器装着患者の診療が行われているため、集中治療室外でも人工呼吸器離脱可能な患者を適切に選定し、安全な離脱を行う方策を確立する必要がある。
しかし、現在一般病棟においては、人工呼吸器離脱の判断はほぼ主治医に委ねられており、重なる職務の中適切な時期に離脱が出来ていない傾向にある。また、看護師・臨床工学技士も適切なサポートができていない状況にある。医療従事者が共通の離脱プロトコルをベースにした診療が根付けば、そのような問題解決へ効果をもたらす可能性がある。またその過程の中で、施設内の呼吸管理に対する長短が見えてくるのではないかと考え、一般病棟での導入をめざす事とした。
ここでは一般病棟での離脱プロトコル運用開始に向けての過程と、その結果見えてきた現状、また今後の課題を発表する。
集中治療医学会は2010年に我が国独自の人工呼吸器関連肺炎(VAP)バンドルを提言した。また、人工呼吸患者の管理を包括的に改善するために提唱されたABCDEバンドル(近年「F:患者家族」の要素が追加された)や日本版・集中治療室における成人重症患者に対する痛み・不穏・せん妄管理のための臨床ガイドライン(J-PAD)も徐々に普及している。2015年には人工呼吸器を主導する3学会(日本集中治療医学会・日本呼吸療法医学会・日本クリティカルケア看護学会)から、早期の安全な呼吸器離脱を推進するため「人工呼吸器離脱に関する3学会合同プロトコル」が発表された。プロトコルは標準的内容を提案したものとされ、各施設にあった展開が期待されている。
当院は病床数1048床の地域救急を担う急性期病院である。肺炎や慢性呼吸不全急性増悪などの呼吸器疾患患者だけでなく、敗血症や外傷、心不全など多岐に渡る病態の患者で人工呼吸器が装着されている。診療科は42科(部)あり、一般病棟でも人工呼吸器装着患者の診療が行われているため、集中治療室外でも人工呼吸器離脱可能な患者を適切に選定し、安全な離脱を行う方策を確立する必要がある。
しかし、現在一般病棟においては、人工呼吸器離脱の判断はほぼ主治医に委ねられており、重なる職務の中適切な時期に離脱が出来ていない傾向にある。また、看護師・臨床工学技士も適切なサポートができていない状況にある。医療従事者が共通の離脱プロトコルをベースにした診療が根付けば、そのような問題解決へ効果をもたらす可能性がある。またその過程の中で、施設内の呼吸管理に対する長短が見えてくるのではないかと考え、一般病棟での導入をめざす事とした。
ここでは一般病棟での離脱プロトコル運用開始に向けての過程と、その結果見えてきた現状、また今後の課題を発表する。