第14回日本クリティカルケア看護学会学術集会

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シンポジウム

シンポジウム1
チーム医療の充実と安全管理の成果 チームステップスの構築

Sat. Jun 30, 2018 3:40 PM - 5:40 PM 第1会場 (5階 大ホール)

座長:道又 元裕(杏林大学医学部附属病院 看護部), 座長:久間 朝子(福岡大学病院看護部 救命救急センター)

[S1-5] チーム医療の充実ーチームが機能するためにー

吹田 奈津子 (日本赤十字社和歌山医療センター 集中治療室)

チーム医療の重要性が強調され、それぞれの役割を持ち組織横断的に動くチームが多数結成され活動している。さらに患者の治療は、「主治医が行う」というものではなく、「多職種が関与する医療チームが行う」という考え方に変化してきている。私たち看護師もそのチームと一員としての役割が期待されている。
では、チーム医療=質の高い医療の提供なのか。チーム医療を構成する医療職(医師,看護師,薬剤師,臨床工学技士,理学療法士,管理栄養士,医療社会福祉士など)がそれぞれ高い専門職としての技術を持っていることはもちろん必要だが、それだけでは医療の質は高まらない。その集団がチームとして機能する必要がある。 集団とは「特定の目的を達成するために集まった、互いに影響を与え合い依存しあう複数の人々」と定義される。集団であるためには、構成員が共通の目的を持ち、それぞれが組織における自分の役割を認識し、互いに助け合い競い合いながら相互に交流することが必要なのである。これをチーム医療で考えてみると、そのチームを構成する職種の人々が患者の具体的なゴールを共有し、個々人が専門職としての知識と技術を活用する意義を認識し、互いに助け合いながら相互に交流すること、となる。
 この「互いに助け合いながら相互に交流すること」というのはチームとして働くときには必要な技術であり、個々人の専門職としての知識や技術と同じく持っているのが理想である。しかし臨床では意識の高い専門職が相互に交流するためには、まだまだ調整という役割も必要なのではないかと考えている。
  自施設でもさまざまなチームが活動し、ICUでは多職種が関与しながら患者に医療を提供している。これらのチームの実情から、チーム医療=質の高い医療の提供、となるための課題について述べたいと考えている。