[S5-2] 大規模災害時における放射線部門の管理体制を考える
災害時には、多数の傷病者が来院することで医療需要は急増する。その反面病院自体が損害を受けることにより事業活動は制限され、医療供給が急激に低下してしまう「需要と供給の極端なアンバランス」が生じることになる。被災を最小限にするための準備を行い、病院機能を維持し早期の診療再開を可能にすることが「今後必ず起こる災害」に向けた病院に求められる備えである。
東京医科歯科大学医学部附属病院は、災害発生時に傷病者の受け入れを行うと同時にDMATの派遣等を行う、区中央部の災害拠点病院である。災害時には災害対策本部を中心に初療~重症部門、病棟部門、中央診療部門が連携し病院の機能維持にあたらなければならない。所属している放射線部は中央診療部門に位置し放射線治療、CT/MRI、血管撮影などの検査・治療に従事している部署である。特に血管撮影室では心臓カテーテル検査や外傷性出血に対する塞栓術も行われており、非常時の対策を講じておくことは必須であると考える。
しかし当部署の現状としては、過去に行われた院内防災訓練への参加率も低く、資機材の整備もされていないなど災害対策への取り組みには消極的な印象が強い。また放射線部は医師、看護師、診療放射線技師、臨床工学技士と多職種が協働する部署であるため、災害時のイメージを共有することも容易ではなく、取り組むべき課題である。今回血管撮影室のアクションカードを改訂し運用を開始するまでに至ったが、病棟・手術室など一般的な知見が散見できる部署と比較し、放射線部という部門に関する参考文献が払底しているために実際の災害時に活用可能であるのか評価が困難である。
本シンポジウムで様々な立場の方と情報交換し、放射線分野における災害対策の示唆を得たいと思う。
東京医科歯科大学医学部附属病院は、災害発生時に傷病者の受け入れを行うと同時にDMATの派遣等を行う、区中央部の災害拠点病院である。災害時には災害対策本部を中心に初療~重症部門、病棟部門、中央診療部門が連携し病院の機能維持にあたらなければならない。所属している放射線部は中央診療部門に位置し放射線治療、CT/MRI、血管撮影などの検査・治療に従事している部署である。特に血管撮影室では心臓カテーテル検査や外傷性出血に対する塞栓術も行われており、非常時の対策を講じておくことは必須であると考える。
しかし当部署の現状としては、過去に行われた院内防災訓練への参加率も低く、資機材の整備もされていないなど災害対策への取り組みには消極的な印象が強い。また放射線部は医師、看護師、診療放射線技師、臨床工学技士と多職種が協働する部署であるため、災害時のイメージを共有することも容易ではなく、取り組むべき課題である。今回血管撮影室のアクションカードを改訂し運用を開始するまでに至ったが、病棟・手術室など一般的な知見が散見できる部署と比較し、放射線部という部門に関する参考文献が払底しているために実際の災害時に活用可能であるのか評価が困難である。
本シンポジウムで様々な立場の方と情報交換し、放射線分野における災害対策の示唆を得たいと思う。