第14回日本クリティカルケア看護学会学術集会

講演情報

シンポジウム

シンポジウム5
大規模災害時におけるクリティカルケア部門の管理体制

2018年7月1日(日) 14:50 〜 16:30 第1会場 (5階 大ホール)

座長:佐々木 吉子(東京医科歯科大学 大学院保健衛生学研究科), 座長:寺師 榮(東洋医療専門学校 救急救命士科)

[S5-5] クリティカルケア部門における災害リスクマネージメント

小早川 義貴 (国立病院機構災害医療センター 災害医療部 福島復興支援室)

一般にリスクはハザードによる影響の大きさとその発生確率で定義される。クリティカルケア部門において、災害によるリスクは他の因子によるリスクより高いのかどうか、まずは気になるところである。災害以外にもたくさんのリスクがあり、災害対応の優先度はどの程度のものか。またリスクマネージメントと書くとなんとなく医療安全室活動などのイメージがわいてくるが、あまり災害とは関係なさそうである。
仮にリスクが低いもしくは計算ができないといって準備をしなくてもよいものかどうか。否、クリティカルケア部門の関わる患者は通常重症度や緊急度が高い患者であるから、その場合においては予防的アプローチを張る必要があろう。具体的にはどのようにするのか。
リスクの算定・評価ができたとして、次にリスクの回避や低減はどのように図るのか。地域や院内でのコミュニケーション、患者のケアキャパシティ確保、スタッフの確保など、津波や火災などさまざまなハザードが迫った時にどう対応するか。東日本大震災や熊本地震でも避難した病院がたくさんあった。新規の患者を受けないとしても、物資の供給をどうにかしてそのまま残ることはできなかったのか。病院避難によって最終的にリスクは低減されたのか。
これだけ災害のことを考えると、平時において個々の患者に適切なケアを提供できなくなるのは間違いない。PCPSの勉強をするほうが患者さんのためになる。そうだ、いっそ災害のことなど考えず、毎日の臨床をがんばろう。そのほうが全体のメリットは大きい。ところで全体のメリットってなんだろう。
発表当日までに以上のようなことを考えてみる予定です。どうぞよろしくお願いいたします。