第14回日本クリティカルケア看護学会学術集会

講演情報

特別講演

特別講演3
2020年東京オリンピック・パラリンピックの医療体制を考える~救急・災害医療体制を検討する学術連合体の活動~

2018年7月1日(日) 09:05 〜 10:05 第1会場 (5階 大ホール)

座長:鈴木 智恵子(日本医科大学付属病院 副院長・看護部長)

[SL3] 2020年東京オリンピック・パラリンピックの医療体制を考える~救急・災害医療体制を検討する学術連合体の活動~

横田 裕行 (日本医科大学大学院医学研究科救急医学分野 同付属病院高度救命救急センター)

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2020年7月~8月にかけて東京オリンピック・パラリンピックが東京都を中心に全国37の会場で開催される。大会期間中だけでなく、前後1カ月は世界中の多くの国々から観光客や大会関係者等が多数集まることになる。したがって、大会期間中を中心に開催会場周辺の救急医療体制の一層の整備はもちろん、全国各地を訪問する国内外からの観光客への円滑な救急医療対応が求められている。また、世界的政治状況の不安定要因からテロの危険性も議論されている。一方、開催期間中は本邦で最も夏の暑さが厳しい時期であり、多数の熱中症患者の発生や落雷による被害も危惧されているところである。このような中、救急医療に関わる9学会と組織(平成29年12月1日現在、日本救急医学会、日本臨床救急医学会、日本集中治療医学会、日本外傷学会、日本集団災害医学会、日本中毒学会、日本熱傷学会、日本救急看護学会、日本小児学会)と東京都医師会からなる会議体、「2020年東京オリンピック・からリンピックに係る救急・災害医療体制を検討する学術連合体(コンソーシアム)」が組織された。コンソーシアムでは過去に我が国で開催された国際的なMass Gathering Event(平成20年北海道洞爺湖サミット、平成23年日本APEC横浜、平成28年伊勢志摩サミットなど)の経験、リオデジャネイロやロンドンオリンピックの救急医療体制を参考に、上記関連学会や組織等から、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会時の救急医療体制のモデル案を提示することを目的としている。具体的には地域医師会や地域MC協議会との連携、日常の救急医療体制維持、Mass Gathering Eventに関連した傷病者対応、熱中症への対応や予防、テロへの救急医療対応、特に爆傷や銃創への対応、NBC対応等を専門家の立場から提言してゆく予定である。