第14回日本クリティカルケア看護学会学術集会

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ワークショップ

ワークショップ1
家族の心理状態を捉えた脳死下臓器提供の選択肢提示~事例から学ぶ選択肢提示における看護師の役割~

2018年6月30日(土) 15:40 〜 17:40 第7会場 (2階 蓬莱)

共催:公益社団法人日本臓器移植ネットワーク

[W1-1] 家族の心理状態を捉えた脳死下臓器提供の選択肢提示~事例から学ぶ選択肢提示における看護師の役割~

‌山勢 博彰1, 田戸 朝美1, 山本 小奈実1, 佐伯 京子1, 立野 淳子2, 高橋 聡子3, 塚本 美保4, 間 里恵4, 本池 智彦4 (1.山口大学大学院医学系研究科, 2.一般財団法人平成紫川会 小倉記念病院, 3.日本医科大学付属病院就職 高度救命救急センター, 4.日本臓器移植ネットワーク)

2010年に臓器移植法が改正され脳死下臓器提供数が増加した。その背景には、家族の承諾のみで臓器提供が可能となったことがある。改正後6年間で337件の脳死下臓器提供があり、その内訳は、家族からの申し出が165件と医療者側からの意思確認が172件であった。
  クリティカルな状態にある患者は、救命が不可能と判断された場合、医療者が家族に終末期の宣告を行い、延命処置についての代理意思決定やその人らしい終末期についても家族は検討しなくてはならない。そのなかのひとつに臓器提供があり、本人の意思表示または家族の代理意思決定により臓器提供に至ることがある。脳死と判断された場合、主治医は、脳死下臓器提供の有無を家族に確認することがある(以下:臓器提供の選択肢提示とする)。このような家族に対して看護師は、家族の心理状態を把握したケアが必要とされる。脳死患者家族の心理過程は、「驚愕期」、「混乱期」、「現実検討期」を経て「受容期」に至るといわれている。各期では様々な心理的反応がみられ、看護師はそのような家族の心理状態を理解したうえで臓器提供の意思確認をすることが必要である。選択肢提示では、特に揺れ動く家族の心理状況を把握しながら家族に対応しなければならない。ケースによっては、日本臓器ネットワークコーディネーターと連携しながら選択肢提示を行うこともある。
そこで今回、脳死とされうる患者家族の心理状態を捉えた脳死下臓器提供の選択肢提示において、看護師にはどのような役割が求められるのか、また、コーディネーターとの連携をどのようにすればいいのかを事例を通して学べるワークショップを開催する。
  ワークショップは、グループワーク形式で行い、ロールプレイを通して臓器提供の選択肢提示における看護師の役割を学んでもらう。
臓器提供の経験があるなしにかかわらず、臓器提供で悩んでいる方、これから臓器提供に関わるかもしれない方など多くの皆様の参加を心よりお待ちしております。