16:10 〜 16:20
[O4-5] 心臓手術を受けた患者の情報探索行動
キーワード:心臓手術、情報探索行動
【目的】
本研究は、心臓手術を受けた患者の術前における情報探索行動を明らかにし、術前の効果的な看護実践の示唆を得ることを目的とした。本研究における情報探索行動とは、患者が手術時へのストレスをきっかけとし、手術のストレスを軽減するための対処として情報の探索を行い、次の行動などを決定するためにその情報を活用することと定義した。
【方法】
研究協力施設及び研究協力者に対し、書面と口頭にて説明を行い、研究の同意が得られ、予定された心臓手術を受けた患者4名を対象に半構成的インタビューガイドを用いて面接調査を行った。面接内容から、心臓手術を受けた患者の術前における情報探索行動の内容をコード化し、類似したものをカテゴリーとしてまとめた。本研究は、高知県立大学研究倫理委員会および研究協力施設の承認を得て実施した。面接で得られたデータは、組織や個人が特定できないように匿名性の確保に努めた。
【結果】
研究協力者は、予定された心臓手術を受けた女性患者4名、年齢は60歳代〜80歳代であった。心臓手術を受けた患者の術前における情報探索行動として、【自分自身の認識を言葉にして医師に伝える】【疾患や手術を受け止めるための情報を探す】【手術を受ける自分自身の目安になる人を探す】【術後の見通しをつけるための情報を探す】【集めた情報を吟味する】【手術に向かうために安心する情報を探す】【決意が揺らがないようにあえて他の情報を取り込まない】の7カテゴリーが抽出された。
【考察】
心臓手術を受ける患者は、医師から疾患や手術の必要性の説明を受けると【自分自身の認識を言葉にして医師に伝え(る)】たり、【疾患や手術を受け止めるための情報を探(す)】して今の状況を理解しようとしていた。また、【手術を受ける自分自身の目安になる人を探す】ことで死を意識することや自分が大変な状況であると認識することになり、手術を受ける自分自身の現状理解をしていた。そして、家族や本を用いて疾患や手術のことを調べ、経験者から術後の生活について聞き、【術後の見通しをつけるための情報を探(す)】し、自分自身の術後の生活をイメージしていた。情報が集まると心臓手術を受ける自分自身の納得につながっているのか【集めた情報を吟味(する)】し、必要であれば、次の行動を選択しながら手術に納得をして臨んでいた。さらに、手術に納得し、覚悟を決めると【手術に向かうために安心する情報を探(す)】して手術を受ける自分自身を後押しし、【手術への決意が揺らぐ情報をあえて取り込まない】ようにして手術への決意を固めていた。
以上のことから、心臓手術を受けた患者の術前における情報探索行動は、疾患や手術の必要性の説明を受けた時から手術を受けるまでの間に、自分自身の現状の理解や、術後の生活をイメージしながら、自分自身が命をかけて受ける心臓手術に納得をするために繰り返され、手術に納得すると、手術への決意が揺らがないようにするためにとられる対処行動であるとした。そして、現状理解を促す支援、術後の見通しをつける支援、手術への納得につながる支援、手術への決意を固める支援の必要性が示唆された。
本研究は、心臓手術を受けた患者の術前における情報探索行動を明らかにし、術前の効果的な看護実践の示唆を得ることを目的とした。本研究における情報探索行動とは、患者が手術時へのストレスをきっかけとし、手術のストレスを軽減するための対処として情報の探索を行い、次の行動などを決定するためにその情報を活用することと定義した。
【方法】
研究協力施設及び研究協力者に対し、書面と口頭にて説明を行い、研究の同意が得られ、予定された心臓手術を受けた患者4名を対象に半構成的インタビューガイドを用いて面接調査を行った。面接内容から、心臓手術を受けた患者の術前における情報探索行動の内容をコード化し、類似したものをカテゴリーとしてまとめた。本研究は、高知県立大学研究倫理委員会および研究協力施設の承認を得て実施した。面接で得られたデータは、組織や個人が特定できないように匿名性の確保に努めた。
【結果】
研究協力者は、予定された心臓手術を受けた女性患者4名、年齢は60歳代〜80歳代であった。心臓手術を受けた患者の術前における情報探索行動として、【自分自身の認識を言葉にして医師に伝える】【疾患や手術を受け止めるための情報を探す】【手術を受ける自分自身の目安になる人を探す】【術後の見通しをつけるための情報を探す】【集めた情報を吟味する】【手術に向かうために安心する情報を探す】【決意が揺らがないようにあえて他の情報を取り込まない】の7カテゴリーが抽出された。
【考察】
心臓手術を受ける患者は、医師から疾患や手術の必要性の説明を受けると【自分自身の認識を言葉にして医師に伝え(る)】たり、【疾患や手術を受け止めるための情報を探(す)】して今の状況を理解しようとしていた。また、【手術を受ける自分自身の目安になる人を探す】ことで死を意識することや自分が大変な状況であると認識することになり、手術を受ける自分自身の現状理解をしていた。そして、家族や本を用いて疾患や手術のことを調べ、経験者から術後の生活について聞き、【術後の見通しをつけるための情報を探(す)】し、自分自身の術後の生活をイメージしていた。情報が集まると心臓手術を受ける自分自身の納得につながっているのか【集めた情報を吟味(する)】し、必要であれば、次の行動を選択しながら手術に納得をして臨んでいた。さらに、手術に納得し、覚悟を決めると【手術に向かうために安心する情報を探(す)】して手術を受ける自分自身を後押しし、【手術への決意が揺らぐ情報をあえて取り込まない】ようにして手術への決意を固めていた。
以上のことから、心臓手術を受けた患者の術前における情報探索行動は、疾患や手術の必要性の説明を受けた時から手術を受けるまでの間に、自分自身の現状の理解や、術後の生活をイメージしながら、自分自身が命をかけて受ける心臓手術に納得をするために繰り返され、手術に納得すると、手術への決意が揺らがないようにするためにとられる対処行動であるとした。そして、現状理解を促す支援、術後の見通しをつける支援、手術への納得につながる支援、手術への決意を固める支援の必要性が示唆された。