9:10 AM - 9:20 AM
[O7-2] O7-2
Keywords:クリティカルケア看護、看護学生、実習指導
【目的】
クリティカルな状態にある患者の看護を考える上では、患者は身体機能が不安定な上、病態の変化が速く、患者の変化に即座に対応できる観察力・洞察力・アセスメント能力が必要となる。また患者は生命を維持するため非日常的な環境にある中で患者を生活者として理解する力も必要となる。
看護学生のクリティカルケア実習では、徹底した安全管理や感染管理、精神的身体的ケアの実施、豊富な専門的知識を習得による患者の生命を守る看護などの学びが報告されている。
研究者が所属する大学の総合実習:クリティカルケアでは、過大侵襲下に集中治療を受ける対象の理解を深め、生体機能を補助しながら生命の維持と生活機能の回復に向けた援助を考え実践できる能力を養うことを目的としている。
看護過程が十分に展開できない学生は、患者の状態把握に必要な情報収集、アセスメントに多くの時間を要し、集中治療を受ける患者に必要な看護が十分に考えられない。学習の途上にある学生が、クリティカルケア看護の場で、実践の中から看護の意味を理解できるようどのように指導をしたら良いかと考えた。
本研究は、クリティカルケア看護に関心を持ちながらも総合実習で指導困難であった事例から、学生の学習上の問題と指導上の課題を明確にし、学生のクリティカルケア看護の興味、関心を高めながら効果的な指導を検討することを目的とする。
【方法】
研究方法:事例研究
研究期間:2018年12月12日から2019年1月31日
研究対象:総合実習でクリティカルケアを履修した学生4名のうち研究への協力に同意を得た学生2名。
データ収集方法:実習記録やレポートから学生の学習の計画と内容及び実践状況を整理し記述した。学習経過と実習の状況を整理した内容から、教員と臨地実習指導者による指導介入の内容を抽出しデータとした。分析方法は指導上、困難な場面と指導内容から学生の課題を抽出し指導上の課題を明確にした。
【倫理的配慮】
本研究は研究者が所属する大学研究倫理委員会の承認を得て実施した。研究協力者は、研究者が直接指導をした学生である為、研究の協力を依頼する事で圧力を感じる危険性がある。成績評価後に実施し、研究協力者の自己決定を保障し、不利益を受けない事、プライバシー・匿名性・機密性確保等について、文書と口頭で説明し同意を得た。本研究における利益相反はない。
【結果と考察】
学生が受け持った患者の疾患は、急性心筋梗塞、心停止蘇生後、消化管穿孔、急性硬膜下血腫であった。
学習上の課題は、患者の生体機能を補助する治療の理解に必要な情報が多く、これらを統合し必要な看護を考える事が困難であった。情報収集からアセスメントを行うが基本的な看護過程の展開が困難な為、診断名から推測する観察計画に留まった。
情報を統合し患者に必要な看護を考える事に時間を要するため、変化する患者の状態の理解、その悪化する要因の理解、生命維持と生活機能の回復に向けた看護を並行して連続的に考える上での問題があった。
指導上の課題では、学生が教科書に対応する一般的な看護問題を挙げた場合でも、患者の現状を照らし合わせて理解を促す必要がある。また情報量が多いことによる混乱では、過剰な情報を除外し思考の整理を促す。
変化する状態とその要因の理解では、学生は患者の状態変化を予測して看護を考えることが困難である。そのため変化する現象の中で、要因となる情報を追加し患者の身体変化の経過を理解できるよう支援する。
また生命維持と生活機能の回復に向けた看護を連続的に捉える為には、看護師の実践と自己の体験を通して、看護実践の意味が理解できるような介入が求められる。
クリティカルな状態にある患者の看護を考える上では、患者は身体機能が不安定な上、病態の変化が速く、患者の変化に即座に対応できる観察力・洞察力・アセスメント能力が必要となる。また患者は生命を維持するため非日常的な環境にある中で患者を生活者として理解する力も必要となる。
看護学生のクリティカルケア実習では、徹底した安全管理や感染管理、精神的身体的ケアの実施、豊富な専門的知識を習得による患者の生命を守る看護などの学びが報告されている。
研究者が所属する大学の総合実習:クリティカルケアでは、過大侵襲下に集中治療を受ける対象の理解を深め、生体機能を補助しながら生命の維持と生活機能の回復に向けた援助を考え実践できる能力を養うことを目的としている。
看護過程が十分に展開できない学生は、患者の状態把握に必要な情報収集、アセスメントに多くの時間を要し、集中治療を受ける患者に必要な看護が十分に考えられない。学習の途上にある学生が、クリティカルケア看護の場で、実践の中から看護の意味を理解できるようどのように指導をしたら良いかと考えた。
本研究は、クリティカルケア看護に関心を持ちながらも総合実習で指導困難であった事例から、学生の学習上の問題と指導上の課題を明確にし、学生のクリティカルケア看護の興味、関心を高めながら効果的な指導を検討することを目的とする。
【方法】
研究方法:事例研究
研究期間:2018年12月12日から2019年1月31日
研究対象:総合実習でクリティカルケアを履修した学生4名のうち研究への協力に同意を得た学生2名。
データ収集方法:実習記録やレポートから学生の学習の計画と内容及び実践状況を整理し記述した。学習経過と実習の状況を整理した内容から、教員と臨地実習指導者による指導介入の内容を抽出しデータとした。分析方法は指導上、困難な場面と指導内容から学生の課題を抽出し指導上の課題を明確にした。
【倫理的配慮】
本研究は研究者が所属する大学研究倫理委員会の承認を得て実施した。研究協力者は、研究者が直接指導をした学生である為、研究の協力を依頼する事で圧力を感じる危険性がある。成績評価後に実施し、研究協力者の自己決定を保障し、不利益を受けない事、プライバシー・匿名性・機密性確保等について、文書と口頭で説明し同意を得た。本研究における利益相反はない。
【結果と考察】
学生が受け持った患者の疾患は、急性心筋梗塞、心停止蘇生後、消化管穿孔、急性硬膜下血腫であった。
学習上の課題は、患者の生体機能を補助する治療の理解に必要な情報が多く、これらを統合し必要な看護を考える事が困難であった。情報収集からアセスメントを行うが基本的な看護過程の展開が困難な為、診断名から推測する観察計画に留まった。
情報を統合し患者に必要な看護を考える事に時間を要するため、変化する患者の状態の理解、その悪化する要因の理解、生命維持と生活機能の回復に向けた看護を並行して連続的に考える上での問題があった。
指導上の課題では、学生が教科書に対応する一般的な看護問題を挙げた場合でも、患者の現状を照らし合わせて理解を促す必要がある。また情報量が多いことによる混乱では、過剰な情報を除外し思考の整理を促す。
変化する状態とその要因の理解では、学生は患者の状態変化を予測して看護を考えることが困難である。そのため変化する現象の中で、要因となる情報を追加し患者の身体変化の経過を理解できるよう支援する。
また生命維持と生活機能の回復に向けた看護を連続的に捉える為には、看護師の実践と自己の体験を通して、看護実践の意味が理解できるような介入が求められる。