9:50 AM - 10:00 AM
[O7-6] O7-6
Keywords:呼吸 、観察 、教育
【背景】
患者の急変は、看護師が第一発見者になることが多い。看護師には、早期に発見する能力や適切に対応する能力が求められ、その能力の向上のために様々な学習会が開催されている。急変の予兆として呼吸に変化があることを複数報告されている。
2017年に発表された早期警告システム(National Early Warning Score;NEWS2)でも経皮的酸素飽和度や血圧、脈拍、意識レベル、体温に加え呼吸の項目が設定されている。また、2016年に提案されquick SOFA(qSOFA)では、呼吸数≧22回/分、収縮期血圧≦100mmHg、意識状態の変調をもって敗血症の早期発見が可能なqSOFAスコアとして呼吸数が含まれている。このように呼吸数の評価は、急変を早期発見する上で重要視すべき項目である。
一方で、呼吸数の観察は、バイタルサインの中でも不十分であることが指摘されている。A病院でも敗血症で発熱が持続している患者や呼吸状態が悪化している患者であっても正常範囲の呼吸数が記載されていることが散見された。そこで、一般病棟の看護副師長に呼吸に関する基礎知識や呼吸の観察の必要性を指導した。さらに各部署の看護副師長は、学習した内容と部署の特性を踏まえた方法で看護スタッフに指導を行った。
【目的】
看護スタッフへの教育の前後で呼吸数の観察を調査し、教育効果を明らかにすることを目的とする。
【方法】
対象:A病院一般病棟 呼吸数の正常値の違いから小児を対象としている子ども病棟を除外した。
時期:前期;平成30年7年1日から8月31日 後期;平成30年12月1日から平成31年1月31日
データ収集方法:副師長が自部署の患者で重症あるいは軽症と判断した患者各5人を選択する。選択した患者の任意の1週間に観察された呼吸数を1日のうちで最高値と最小値を含む4回までを記載する。
分析方法:基本統計量ならびに対応のないt検定(有意水準0.05)
【倫理的配慮】
データ収集期間中に入院していた患者に研究の目的や利用する情報の項目、利用方法、情報の匿名化、研究利用の拒否機会の確保についてホームページ上に提示する。
【結果】
対象病棟は15病棟であった。各部署から重症例・軽症例共に5事例ずつ部署の特徴的な疾患の患者であった。
患者ごと1日に観察され提示されたデータ数は、1回目の調査で重症例・軽症例共に0~4、2回目の調査で重症例・軽症例共に1~4であった。
1回目は、重症事例全体は平均値18.8±3.60回/分、軽症事例全体は平均値19.1±6.65回/分であった。2回目は、重症事例全体は平均値18.8±3.08回/分、軽症事例全体は平均値17.7±1.5回/分であった。
重症事例の1回目と2回目間の6部署、軽症事例の1回目と2回目間の6部署で優位差を認めた。
【考察】
有意差を認めた部署は、1回目で1日のうちに観察されたデータ数が0から2回目で1以上に増加した部署や1回目に測定された値が18回/分のみから2回目にばらつきが見られた部署があった。中には、病棟に特徴的な疾患で多呼吸を伴う事例が含まれていた部署があった。
また、有意差が認められなかった部署は、1回目と2回目で変化がなかっただけではなく1回目からデータ数にばらつきが有り正確な観察が実施されていると推測される部署もあった。
【結語】
呼吸数の観察が部署によって大きく異なることが明らかになった。しかし、部署の特性に合致した教育を実施することで正確な観察が可能になることが推測された。また、急変に備え日常的に呼吸数の観察を正確に実施できるよう働きかける必要がある。
患者の急変は、看護師が第一発見者になることが多い。看護師には、早期に発見する能力や適切に対応する能力が求められ、その能力の向上のために様々な学習会が開催されている。急変の予兆として呼吸に変化があることを複数報告されている。
2017年に発表された早期警告システム(National Early Warning Score;NEWS2)でも経皮的酸素飽和度や血圧、脈拍、意識レベル、体温に加え呼吸の項目が設定されている。また、2016年に提案されquick SOFA(qSOFA)では、呼吸数≧22回/分、収縮期血圧≦100mmHg、意識状態の変調をもって敗血症の早期発見が可能なqSOFAスコアとして呼吸数が含まれている。このように呼吸数の評価は、急変を早期発見する上で重要視すべき項目である。
一方で、呼吸数の観察は、バイタルサインの中でも不十分であることが指摘されている。A病院でも敗血症で発熱が持続している患者や呼吸状態が悪化している患者であっても正常範囲の呼吸数が記載されていることが散見された。そこで、一般病棟の看護副師長に呼吸に関する基礎知識や呼吸の観察の必要性を指導した。さらに各部署の看護副師長は、学習した内容と部署の特性を踏まえた方法で看護スタッフに指導を行った。
【目的】
看護スタッフへの教育の前後で呼吸数の観察を調査し、教育効果を明らかにすることを目的とする。
【方法】
対象:A病院一般病棟 呼吸数の正常値の違いから小児を対象としている子ども病棟を除外した。
時期:前期;平成30年7年1日から8月31日 後期;平成30年12月1日から平成31年1月31日
データ収集方法:副師長が自部署の患者で重症あるいは軽症と判断した患者各5人を選択する。選択した患者の任意の1週間に観察された呼吸数を1日のうちで最高値と最小値を含む4回までを記載する。
分析方法:基本統計量ならびに対応のないt検定(有意水準0.05)
【倫理的配慮】
データ収集期間中に入院していた患者に研究の目的や利用する情報の項目、利用方法、情報の匿名化、研究利用の拒否機会の確保についてホームページ上に提示する。
【結果】
対象病棟は15病棟であった。各部署から重症例・軽症例共に5事例ずつ部署の特徴的な疾患の患者であった。
患者ごと1日に観察され提示されたデータ数は、1回目の調査で重症例・軽症例共に0~4、2回目の調査で重症例・軽症例共に1~4であった。
1回目は、重症事例全体は平均値18.8±3.60回/分、軽症事例全体は平均値19.1±6.65回/分であった。2回目は、重症事例全体は平均値18.8±3.08回/分、軽症事例全体は平均値17.7±1.5回/分であった。
重症事例の1回目と2回目間の6部署、軽症事例の1回目と2回目間の6部署で優位差を認めた。
【考察】
有意差を認めた部署は、1回目で1日のうちに観察されたデータ数が0から2回目で1以上に増加した部署や1回目に測定された値が18回/分のみから2回目にばらつきが見られた部署があった。中には、病棟に特徴的な疾患で多呼吸を伴う事例が含まれていた部署があった。
また、有意差が認められなかった部署は、1回目と2回目で変化がなかっただけではなく1回目からデータ数にばらつきが有り正確な観察が実施されていると推測される部署もあった。
【結語】
呼吸数の観察が部署によって大きく異なることが明らかになった。しかし、部署の特性に合致した教育を実施することで正確な観察が可能になることが推測された。また、急変に備え日常的に呼吸数の観察を正確に実施できるよう働きかける必要がある。