The 15th Annual Meeting of Japan Academy of Critical Care Nursing

Presentation information

Oral presentation

[P4] せん妄ケア・リハビリテーション

Sun. Jun 16, 2019 11:10 AM - 11:50 AM 第7会場 (B1F コンベンションホール)

座長:月俣 夏織(済生会八幡総合病院)

11:10 AM - 11:17 AM

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○高橋 啓太1、渡部 大地2、佐土根 岳2、神田 直樹1 (1. 北海道医療大学看護福祉学部、2. 手稲渓仁会病院)

Keywords:せん妄、テキストマイニング

【はじめに】
 せん妄は、死亡率の上昇やICU滞在日数・入院期間の延長と関連があり、クリティカルケアを受ける患者において重要な課題である。本邦においても、近年せん妄に関する看護研究が多数報告されているが、動向は把握されていない。
【目的】本邦のせん妄に関する看護研究の動向を把握し、課題を検討することを目的とする。
【研究方法】
 医学中央雑誌のタイトル検索で「せん妄」をキーワードとし、論文種類は「原著論文」「会議録」、分類は「看護」で絞り込み検索を行った。年次別の文献数の推移から、年間20件を超えて増加傾向にあった2002年から2018年までの文献タイトルを分析対象として、テキストマイニングを行なった。分析にはKHcoder(樋口、2014)を用い、抽出語分析、および、「せん妄」を関連語とする共起ネットワーク分析を実施した。
【結果】
 文献検索の結果、1326件の文献タイトルを対象とした。抽出語リストで多かったものは、名詞で「せん妄」「患者」「術後」、サ変名詞で「看護」「発症」「予防」であった。「せん妄」を関連語とする共起ネットワーク分析では、「患者」「術後」「看護」「予防」「ケア」「要因」「発症」との共起関係が強く表されていた(図1)。
【考察】
 抽出語リスト及び共起ネットワークにおいて、せん妄に関する看護研究は、術後患者を対象にせん妄発症の要因や予防に対する看護ケアの観点で行われていることが示唆された。また「CAM―ICU」「ICDSC」と「導入」「意識」「変化」「現状」「調査」「評価」などの語がネットワークを結んでいることから、J―PADガイドラインの発表に伴い、多くの施設でスケールの導入が進められていると考えられる。一方で「効果」の語が「予防」「術後」と共起関係を表す線で結ばれているが、「看護」「ケア」「発症」とは結ばれていない。このことから、せん妄予防の効果が研究されているが、せん妄患者の看護に対する効果を検証した研究が比較的少ないことが示唆される。せん妄期間の延長は長期的な認知機能障害や実行機能障害との関連が指摘されており、せん妄発症に対する看護ケアとその効果を長期的な視点で評価していくことが今後の課題であると考える。
【結論】
 本邦におけるせん妄に関する看護研究では、術後患者を中心に発症要因や予防の観点での研究が多い傾向であった。せん妄患者に対する看護ケアの効果を検証した研究は少なく、今後の研究の積み重ねが期待される。
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