11:38 AM - 11:45 AM
[P4-5] P4-5
Keywords:ICU、フットケア、早期離床
【背景】
近年、早期リハビリテーションは短期的にも長期的にも有用であること報告がされている。しかし、重症患者では下肢のトラブルが発生し、リハビリテーションを開始できないことがある。現在ICU看護師のフットケアに対する認識やケアに関する先行研究は少ない。そこでICU看護師のフットケアに対する認識やケアを調査し現状を把握し、今後の課題を見出すことにした。
【目的】
ICU看護師のフットケアに対する認識やケアの調査をして現状を把握し、今後の課題を見出す。
【方法】
当院ICU看護師23名を対象にしたアンケート調査をし、課題を見出す。
【倫理的配慮】
本研究は所属長の許可を得て研究を進めた。対象に対してアンケートの回答は自由意思であり回答のしないことで何ら不利益を生じないこと、アンケート結果は個人を特定できないように通し番号で管理すること、本研究発表以外に使用しないこと、アンケート結果は研究終了後に研究者が速やかに破棄することを文書と口頭で説明した。
【結果】
アンケート回収率は100%。「下肢の観察を行う疾患」では閉塞性動脈硬化症(18名)、糖尿病(18名)、心不全(14名)であった。「下肢の観察項目」では動脈触知(22名)、チアノーゼ(22名)、創傷の有無(22名)であった。「いつ観察するか」では受け持ち開始時(12名)、体位変換時(10名)、手術直後(8名)、心臓カテーテル検査または治療後(8名)であった。「観察の目的」では末梢循環の確認(8名)、異常の早期発見(5名)、フィジカルアセスメント(5名)であった。「実践しているケアは」では保湿(17名)、足浴(11名)、爪切り(11名)、弾性ストッキング(11名)であった。
【考察】
「下肢の観察を行う疾患」では結果で上述した疾患以外は、動静脈疾患の回答が多かった。これはICU看護師が普段から動静脈疾患に接することが多いためと考えられた。下肢のトラブルが頻発し、ICUにも一定数存在する透析患者との回答は0であった。「下肢の観察項目」では胼胝のみが低かった。胼胝は他の観察項目に比べ、重要視されにくいまたはトラブルと認識していない可能性がある。「いつ観察するか」では日常のケア以外は下肢のルート挿入に関連した時であり、ルート挿入時には下肢血流を観察していると考えられる。下肢のトラブルを回避するためには、できるだけ初期にトラブルの発生を確認する必要があるがルート挿入時に特に意識されている傾向にある。「観察の目的」でトラブルの発生を確認すると答えた割合は全回答から8.6%にとどまった。またリハビリテーションのためと回答はなかった。「実践しているケアは」保湿が一番多かった。
【結論】
・A病院のICU看護師はフットケアを行なっているが、認識やケアは統一されていない。
・下肢トラブルのリスクの高い疾患や観察などが系統的に行えておらず、フットケアに対する基礎知識が低い。
・課題はICUでなぜフットケアが必要であるかの動機づけである。
近年、早期リハビリテーションは短期的にも長期的にも有用であること報告がされている。しかし、重症患者では下肢のトラブルが発生し、リハビリテーションを開始できないことがある。現在ICU看護師のフットケアに対する認識やケアに関する先行研究は少ない。そこでICU看護師のフットケアに対する認識やケアを調査し現状を把握し、今後の課題を見出すことにした。
【目的】
ICU看護師のフットケアに対する認識やケアの調査をして現状を把握し、今後の課題を見出す。
【方法】
当院ICU看護師23名を対象にしたアンケート調査をし、課題を見出す。
【倫理的配慮】
本研究は所属長の許可を得て研究を進めた。対象に対してアンケートの回答は自由意思であり回答のしないことで何ら不利益を生じないこと、アンケート結果は個人を特定できないように通し番号で管理すること、本研究発表以外に使用しないこと、アンケート結果は研究終了後に研究者が速やかに破棄することを文書と口頭で説明した。
【結果】
アンケート回収率は100%。「下肢の観察を行う疾患」では閉塞性動脈硬化症(18名)、糖尿病(18名)、心不全(14名)であった。「下肢の観察項目」では動脈触知(22名)、チアノーゼ(22名)、創傷の有無(22名)であった。「いつ観察するか」では受け持ち開始時(12名)、体位変換時(10名)、手術直後(8名)、心臓カテーテル検査または治療後(8名)であった。「観察の目的」では末梢循環の確認(8名)、異常の早期発見(5名)、フィジカルアセスメント(5名)であった。「実践しているケアは」では保湿(17名)、足浴(11名)、爪切り(11名)、弾性ストッキング(11名)であった。
【考察】
「下肢の観察を行う疾患」では結果で上述した疾患以外は、動静脈疾患の回答が多かった。これはICU看護師が普段から動静脈疾患に接することが多いためと考えられた。下肢のトラブルが頻発し、ICUにも一定数存在する透析患者との回答は0であった。「下肢の観察項目」では胼胝のみが低かった。胼胝は他の観察項目に比べ、重要視されにくいまたはトラブルと認識していない可能性がある。「いつ観察するか」では日常のケア以外は下肢のルート挿入に関連した時であり、ルート挿入時には下肢血流を観察していると考えられる。下肢のトラブルを回避するためには、できるだけ初期にトラブルの発生を確認する必要があるがルート挿入時に特に意識されている傾向にある。「観察の目的」でトラブルの発生を確認すると答えた割合は全回答から8.6%にとどまった。またリハビリテーションのためと回答はなかった。「実践しているケアは」保湿が一番多かった。
【結論】
・A病院のICU看護師はフットケアを行なっているが、認識やケアは統一されていない。
・下肢トラブルのリスクの高い疾患や観察などが系統的に行えておらず、フットケアに対する基礎知識が低い。
・課題はICUでなぜフットケアが必要であるかの動機づけである。