The 15th Annual Meeting of Japan Academy of Critical Care Nursing

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Oral presentation

[PD2] 未来に向けて特定行為研修制度の課題を考究する

Sat. Jun 15, 2019 4:40 PM - 6:00 PM 第2会場 (3F 国際会議室)

座長:尾野 敏明(前 杏林大学医学部付属病院)、卯野木 健(札幌市立大学)

4:40 PM - 4:55 PM

[PD2-1] PD2-1

○剱持 功1 (1. 東海大学看護師キャリア支援センター)

Keywords:特定行為研修制度

 わが国では、高齢化が加速しており団塊の世代(約800万人)が75歳以上となる2025年以降は、5人に一人が75歳以上、3人に一人が65歳以上という超高齢化社会に突入していきます(75歳以上は約2200万人)。その一方で、日本の人口は2004年をピークに減少に転じ、人口構造の変化が著しく起こっています。少子超高齢化社会を向かえるにあたり、人口減少、医師不足、医療の高度化、複雑化都市集中化、地域格差、医療費の高騰など様々な問題としてクローズアップされました。この命題を解決するため国は、健康年齢を伸ばし、その人らしく生まれ育った地域で暮らしていく地域包括ケアシステムの推進を行う一方、チーム医療の推進、働き方改革など具体的な方策を打ち出しました。
 働き方改革に示されるように医療界における人手不足は最大の問題です。そこで、病院完結型の医療から自宅や地域で直す地域完結型の医療へと大きな政策転換を進めています。医療、介護を連携させる大きな鍵となるのが看護師です。方策の一つとして看護師による特定行為研修制度が平成27年より施行されました。この制度は看護師に対する期待の現れでもあります。この制度は3年目以上の看護師が研修により手順書を用いて包括的に医療を行うものです。この研修制度により2020年までに2桁万人の研修を終えた看護師を養成して上記の問題解決の一助にすることです。
 看護協会は安全の担保、質の担保を図るために認定看護師に特定行為実施者として推進すべく認定看護師制度の再構築を図り、認定看護師教育に特定行為研修を組み入れた新たな認定看護師制度を2020年から始めようとしています。この制度が始まって4年2025年までの間に一つの評価をすると共に、この制度を活かし国民の健康と生活に看護師がどのように貢献できるかを考えなければならない時に来ています。ここでは、国民からの信頼を得るために、この制度の課題について皆さんと議論できればと考えています。