The 15th Annual Meeting of Japan Academy of Critical Care Nursing

Presentation information

Oral presentation

[PS6] 家族看護

Sun. Jun 16, 2019 10:00 AM - 11:00 AM 第3会場 (3F 小会議室31)

演者:井川 梨恵(大分大学医学部附属病院高度救命救急センター)

10:00 AM - 11:00 AM

[PS6] PS6

○井川 梨恵1 (1. 大分大学医学部附属病院 看護部 高度救命救急センター)

Keywords:家族看護、クリティカルケア

 家族の形は、単独世帯や夫婦のみの世帯、夫婦と子どもからなる世帯などさまざまである。その中でも近年は、単独世帯や夫婦と子どもの世帯、高齢者の親と高齢者の子どもの世帯などが増加していることが特徴である。
 家族にとって患者は、「とても大切な存在です。この人がいなくなったらどうすればよいのか」という家族や、「その人とは疎遠ですので、死んだときにだけ連絡をください」という家族、「妹とはもう十数年くらい疎遠でしたけど、父(患者)が危ない状況になったので連絡をしました。父がそのような縁をくれたのだと思います」という家族、「籍は入れていないけど、もう十数年一緒に暮らしています」という家族など、家族の歴史や生活背景、環境によりさまざまな家族の関係性がある。
 クリティカルケア領域では、患者が急に生命の危機的状況に陥ってしまうことや障害を持ちながら生活をしなければならない状況に陥ることも少なくない。そのような時家族は、今まで当たり前にできていた生活を送ることが困難となり、患者の病状の理解やこれから先のことを考えたりと、日常の生活が変化するなかで不安な日々を過ごさなければならない状況にもなる。クリティカルケア領域では、患者が意識障害を来していることも多く、患者の治療などは家族が決定する代理意思決定などの判断を迫られることもある。
 クリティカルケア領域の看護師は、急速に変化する患者の状態と向き合い、患者の生命の危機的状態を回避でき、患者が日常生活に戻ることができるよう、患者への看護が必要である。そして家族へも家族が患者の状態を正しく理解でき、治療などを選択できるように援助を行ったり、家族の役割が変化をする中で、家族が役割を変えながら、家族の機能が働くように家族への看護を実践することも必要となる。
 今回は、このような特徴のあるクリティカルケア領域における家族への看護で必要な知識や技術を、ひとつでも明日から実践できるように、事例検討を通して一緒に考えたい。