第15回日本クリティカルケア看護学会学術集会

講演情報

プラクティスセミナー

[PS8] 看護に活かす脳画像とその見方

2019年6月16日(日) 14:20 〜 15:20 第3会場 (3F 小会議室31)

演者:久松 正樹(中村記念南病院)

14:20 〜 15:20

[PS8] 看護に活かす脳画像とその見方

○久松 正樹1 (1. 社会医療法人 医仁会 中村記念南病院)

キーワード:脳卒中、脳卒中看護、脳画像

 例えば頭に聴診器を当てて頭蓋骨の中の音を聞く。頭を触診してみる。頭蓋骨の中の音は聞こえませんし、頭に触れてわかるものと言えば皮下血腫くらいでしょうか。本来、身体情報を得るための技術である聴診や打診などは脳神経の領域では本来の効果を示さないかもしれません。これまで私達脳神経領域で働く臨床の看護師は、頭蓋内でどんなことが起きているのかを知るために意識レベルや運動機能など神経学的な所見に頼ってきました。ある意味それしか知らなかったと言っても過言ではありません。しかし、ここに「脳画像」という所見をアセスメントの一つに加えてみます。血液データは患者さんに表れている症状を理解するためになくてはなりません。脳画像だって同じです。
 脳神経疾患を発症した患者さんの多くは、麻痺や高次脳機能障害を抱え退院していきます。このセミナーで焦点を当てる脳卒中に関しても、治療が終了したからと言って退院ができるという事にはなりません。患者さん達は自分らしい生活を整えるために、失われた機能の回復や改善を目指し、苦しいリハビリテーションに取り組まなければなりません。つまり障害を抱えた患者さんは新たに生活を再構築していく必要があるのです。しかし、生活の再構築は、決して急性期を脱してから行われるものではなく、クリティカルケア領域から退院後の生活を見据えた介入が必要と考えます。特にこのクリティカル領域でのケアの質によって予後は大きく変わってきます。脳は複雑で難しい。何度話しを聞いても結局解からない。ただでさえ難しいと考えているのに、脳神経の専門用語ばかり聞いていてもただただ眠くなるばかり。しかし、いつまでも目を背けているわけにはいきません。
 このセミナーでは「脳画像を看護に活かす」をテーマに学習していきます。脳神経領域で働く臨床看護師の目線から、どんな事に注意をむけて看護をしているのか、症状の根拠から観察の根拠まで、実際の事例を用いながら話を進めていきます。

 まずはこの画像 ここにはある重要なものが隠されています。さぁ何がみえるでしょうか。
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