第15回日本クリティカルケア看護学会学術集会

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[SS] 2020年東京オリンピック・パラリンピックにおける看護師の対応ガイドライン

2019年6月16日(日) 09:00 〜 10:20 第6会場 (B1F 小会議室2・3)

演者:嶌田 理佳(京都先端科学大学),喜熨斗 智也(国士舘大学体育学部),挾間 しのぶ(東京慈恵会医科大学教育センター)
座長:嶌田 理佳(京都先端科学大学)

09:00 〜 10:20

[SS] 2020年東京オリンピック・パラリンピックにおける看護師の対応ガイドライン

○嶌田 理佳1、○喜熨斗 智也2、○挾間 しのぶ3 (1. 京都先端科学大学健康医療学部、2. 国士舘大学体育学部、3. 東京慈恵会医科大学 教育センター 看護キャリアサポート部門)

キーワード:オリンピック

 2020年に開催される東京オリンピック ・パラリンピックでは、 各会場やその周辺に世界中から何万人もの人が訪れると予想され、近隣医療機関では対応に苦慮することが懸念されています。また、テロによって同時に多数の傷病者が発生する可能性を想定した備えも必要となっています。これに対応するため、救急災害医療体制に係る学術連合体(コンソーシアム)が結成され、日本クリティカルケア看護学会も参加することになりました。
 東京オリンピック・パラリンピックにおける医療ケアを考える際のキーワードは、「夏季」「多数傷病者」「外国人」「テロ」です。開催期間の7月下旬から9月初旬は気候的に熱中症が多発する時期であり、予防を含めた対策が不可欠です。当然、外傷や急性症状への対応も必要となります。種々の感染症のリスクもあることから、発生と拡大を予防するための対策も求められます。さらに、外国からの来訪者に対しては、言語、宗教、文化など多方面の配慮も必須となります。多数の人々が集まることから、単独の傷病への対応だけでなく、群集心理やテロといった非常事態によるリスクを想定した準備も、大変重要となります。
 こうした状況下では、会場などの現場で傷病者に提供される早期医療と、搬送先の医療施設における救急医療が効果的に展開されることが第一義的な課題となり、コンソーシアムでは看護ガイドラインを策定しました。本ガイドラインは、具体的な看護を指南するマニュアルではなく、会場および後方搬送先となる医療機関における看護師の役割を示す看護活動のガイドラインです。内容としては、大規模イベント会場の医療救護、熱中症、多数傷病者事故、銃創・爆傷患者、感染症、外国人対応、ICU管理などが含まれます。
 本セミナーでは、全体のガイドライン構成について概説し、次いで救護所等におけるファーストエイド、受け入れ病院(ICU部署)における看護師の役割についてお話しします。

2020年東京オリンピック・パラリンピックにおける
看護師の対応ガイドライン