第16回日本クリティカルケア看護学会学術集会

Presentation information

教育講演

[EL6] 敗血症の治療方針と各職種の連携

演者:向井 啓(摂南大学)

[EL6] 敗血症の治療方針と各職種の連携

○向井 啓1 (1. 摂南大学)

Keywords:敗血症、抗菌薬、抗菌薬適正使用

 抗菌薬の適正使用について看護師に出来ることは何だろうか。平成30年度診療報酬改定において、AST(抗菌薬適正使用支援チーム)の活動に新たに100点の診療報酬点数が新設された。ICT(感染制御チーム)では、看護師の活躍が大きな意味をなしており、看護師の存在なくして日々の成果を上げることは不可能に近い。ICT同様にASTでも看護師の活躍が期待されている。しかしながら、抗菌薬となると少し抵抗を感じる看護師もいるのではないだろうか。感染制御および抗菌薬適正使用のどちらでも言えることだが、チームに所属しているメンバーだけが努力しても成立することではない。大多数をしめるチーム以外の医療従事者が意識をして取り組むことによって初めて成果が出る内容である。つまり、医療従事者の大多数をしめる看護師の協力なくしては抗菌薬の適正使用は成立しないのである。
 抗菌薬には同じような名前の物が多く、また対象となる菌も様々な種類があり勉強しにくいため少し拒否反応を示してしまう。これは看護師のみならず薬剤師でも同じである。抗菌薬について、または抗菌薬適正使用について勉強をすると膨大な知識と時間が必要となるが、医師に出来ること、薬剤師に出来ることはそれぞれの職種に任せれば良い。しかしながら、看護師にしか出来ないことも存在している。その看護師にしかできないことを適切に理解し適切に遂行すると抗菌薬適正使用に大いに貢献できるのである。
 そこで本公演では、敗血症の治療を例に、看護師が抗菌薬の適正使用でどのようなことが出来るのかについて説明し、明日からの業務ですぐに活かせる内容を説明したいと考えている。具体的には、なぜ目の前の患者にこの抗菌薬が使用されているのかを簡単に述べ、抗菌薬の投与タイミングを意識する必要性やバンコマイシンの採血はなぜ投与前に行わなければならないかなどを説明する。また、それらの必要性を意識せずに行動した場合、患者にどのような不利益が生じるのかを解説する。
EL6-01.jpg