[O3-5] HCUにおけるせん妄発症の背景
Keywords:せん妄、せん妄ケア
【はじめに】A病院HCUの先行研究から、一般的にせん妄を起こしやすい準備因子を持つ患者より、それに当てはまらない患者に多くせん妄が出現していたことが分かった。せん妄発症状況と看護介入について再度調査し、せん妄患者への適切な看護介入の方法を見出したいと考えた。
【方法】対象:2017年7月~12月にHCUでせん妄を発症した患者50名。調査方法:後ろ向き研究で患者カルテより、年齢・認知症の有無・せん妄発症時期・時間別発生人数・せん妄症状・看護介入・HCUへの入室経路についてデータ収集を行い記述的分析をした。倫理的配慮:本研究は所属病院倫理審査委員会審査にて承認を得た。
【結果】HCUへの入室患者は、救急センターからの緊急入室35人、病棟からの転床9人、予定OP後入室6人だった。せん妄が発症した時期は、入室1日目50%、入室2日目26%、入室3日目14%、入室4日目8%、入室5日目0%、入室6日目2%だった。せん妄発症した時間別の発生人数は、入室1日目の深夜1人、入室1日目の日勤5人、入室1日目の準夜19人、入室2日目深夜2人、入室2日目の日勤0人、入室2日目の準夜11人、入室3日目の深夜2人、入室3日目の日勤0人、入室3日目の準夜5人、入室4日目の深夜1人、入室4日目の日勤1人、入室4日目の準夜2人、入室5日目の発生はなし、入室6日目の深夜0人、入室6日目の日勤0人、入室6日目の準夜1人だった。せん妄症状として一番多かった不穏においての年代別発生人数は、50歳代2人、60歳代3人、70歳代5人、80歳代11人、90歳代9人、100歳代1人だった。看護師がせん妄と判断した症状は、不穏54%、自己抜去17%、不眠15%、ルート類を触るが14%だった。せん妄発症時に看護師が行った介入方法は、身体抑制54%、投薬38%、観察強化のみ5%、心療内科で薬の調節を行ったのが3%だった。せん妄を発症し何らかの症状を起こす前に予防的に介入したのは60%、何らかの症状が発生後に対処的に介入したのは40%だった。せん妄症状として一番多かった不穏においての年代別発生人数は、50歳代2人、60歳代3人、70歳代5人、80歳代11人、90歳代9人、100歳代1人だった。せん妄発症した対象患者の認知症の有無は、あり38%、なし62%だった。
【考察】せん妄発症時期で入室1日目に50%、入室3日目までに90%の患者にせん妄が発症しており、救急センターからの緊急入室による環境の変化や急性期の重篤な時期であることが要因となっていると考えられる。また、せん妄発症年齢は80歳代が一番多いが、若い年齢でも発症したり、認知症がない患者の方が多く発症していることから、全ての患者へのせん妄リスクを念頭に置き、早期に介入をする必要があると考えた。また、入室日数に関わらず準夜帯に多く発症していることから、夜間帯は担当医が不在なことも多く、薬の投与や調整の対応が遅れることが影響しているのではないかと思った。そのため、看護介入方法として身体抑制を選択し、インシデント予防に努め、安全の確保と治療の遂行を最優先に考える看護師が多いのではないかと思った。しかし、身体抑制は誘発因子の一つであり、抑制による苦痛も加わることでせん妄発症が助長されていたとも考えられる。せん妄を疑った時は、まず身体的苦痛や不眠など根本的な原因は何かをアセスメントし、せん妄症状を早期に見極め、その苦痛を解決できるよう介入することが重要である。また、看護師がせん妄を理解し、看護ケアに繋げられるよう意識づけをしていく必要性も感じた。
【結論】A病院HCUにおけるせん妄患者への適切な看護介入方法として、入室時より患者に起こっている苦痛の原因を考え、その苦痛を解決できるような看護ケアを行う。そのため、せん妄に対する知識を深めることが今後の課題である。
【方法】対象:2017年7月~12月にHCUでせん妄を発症した患者50名。調査方法:後ろ向き研究で患者カルテより、年齢・認知症の有無・せん妄発症時期・時間別発生人数・せん妄症状・看護介入・HCUへの入室経路についてデータ収集を行い記述的分析をした。倫理的配慮:本研究は所属病院倫理審査委員会審査にて承認を得た。
【結果】HCUへの入室患者は、救急センターからの緊急入室35人、病棟からの転床9人、予定OP後入室6人だった。せん妄が発症した時期は、入室1日目50%、入室2日目26%、入室3日目14%、入室4日目8%、入室5日目0%、入室6日目2%だった。せん妄発症した時間別の発生人数は、入室1日目の深夜1人、入室1日目の日勤5人、入室1日目の準夜19人、入室2日目深夜2人、入室2日目の日勤0人、入室2日目の準夜11人、入室3日目の深夜2人、入室3日目の日勤0人、入室3日目の準夜5人、入室4日目の深夜1人、入室4日目の日勤1人、入室4日目の準夜2人、入室5日目の発生はなし、入室6日目の深夜0人、入室6日目の日勤0人、入室6日目の準夜1人だった。せん妄症状として一番多かった不穏においての年代別発生人数は、50歳代2人、60歳代3人、70歳代5人、80歳代11人、90歳代9人、100歳代1人だった。看護師がせん妄と判断した症状は、不穏54%、自己抜去17%、不眠15%、ルート類を触るが14%だった。せん妄発症時に看護師が行った介入方法は、身体抑制54%、投薬38%、観察強化のみ5%、心療内科で薬の調節を行ったのが3%だった。せん妄を発症し何らかの症状を起こす前に予防的に介入したのは60%、何らかの症状が発生後に対処的に介入したのは40%だった。せん妄症状として一番多かった不穏においての年代別発生人数は、50歳代2人、60歳代3人、70歳代5人、80歳代11人、90歳代9人、100歳代1人だった。せん妄発症した対象患者の認知症の有無は、あり38%、なし62%だった。
【考察】せん妄発症時期で入室1日目に50%、入室3日目までに90%の患者にせん妄が発症しており、救急センターからの緊急入室による環境の変化や急性期の重篤な時期であることが要因となっていると考えられる。また、せん妄発症年齢は80歳代が一番多いが、若い年齢でも発症したり、認知症がない患者の方が多く発症していることから、全ての患者へのせん妄リスクを念頭に置き、早期に介入をする必要があると考えた。また、入室日数に関わらず準夜帯に多く発症していることから、夜間帯は担当医が不在なことも多く、薬の投与や調整の対応が遅れることが影響しているのではないかと思った。そのため、看護介入方法として身体抑制を選択し、インシデント予防に努め、安全の確保と治療の遂行を最優先に考える看護師が多いのではないかと思った。しかし、身体抑制は誘発因子の一つであり、抑制による苦痛も加わることでせん妄発症が助長されていたとも考えられる。せん妄を疑った時は、まず身体的苦痛や不眠など根本的な原因は何かをアセスメントし、せん妄症状を早期に見極め、その苦痛を解決できるよう介入することが重要である。また、看護師がせん妄を理解し、看護ケアに繋げられるよう意識づけをしていく必要性も感じた。
【結論】A病院HCUにおけるせん妄患者への適切な看護介入方法として、入室時より患者に起こっている苦痛の原因を考え、その苦痛を解決できるような看護ケアを行う。そのため、せん妄に対する知識を深めることが今後の課題である。