[O4-4] 急性・重症患者看護専門看護師が役割を獲得するプロセス
Keywords:専門看護師、役割、獲得
急性・重症患者看護専門看護師(以下,CCNS)が役割獲得するプロセスを明らかにした.
対象となるCCNSの選定は,日本看護協会に登録されている登録者一覧を用い,CCNSの認定を受け3年以上経過した者4名を対象とした.データ産出には半構造化インタビューを用いた.修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチにより,どのようなCCNSの役割から始めたか,組織のニーズの把握はどうしたかなどについてCCNSの語りを質的帰納的に分析した.
本研究は,所属大学倫理委員会の承認を得た研究計画書に基づき研究を実施した.
研究への参加に同意しない場合および途中で参加を辞退した場合であっても不利益を被らないことを保証し,研究への協力は自意思であることを研究依頼書に明記するとともに,口頭でも研究参加者に十分説明した.
生成された概念は13個あり,【活動を方向付ける思考】【成果を蓄積する好循環】の2個のコアカテゴリーと<組織ニーズと自身の対応能力のバランス調整><リソースとしての役割の明確化><得意分野を基盤とした役割を精錬する活動><活動による信頼関係の構築><変革を期待する協働者の誘引><活動による成果の産生><看護管理者との交渉><組織横断的な活動の獲得><組織横断的な活動><周囲への役割の周知>の10個のカテゴリーを抽出した.
【成果を蓄積していく好循環】において,各所からCCNSのニーズが高まり,活動の範囲は拡大していた.その結果,組織横断的な活動を獲得し,さらなる成果を上げていくプロセスとなっていた.これは自部署のみならず,リソースとしてのニーズの拡大,つまりは,あらゆる診療科で活動する機会があることを意味している.そして ,<組織横断的な活動の獲得>は,組織のニーズとして,CCNSが組織全体の急性期から終末期にかけて,クリティカルケアを担うという期待を意味していると考える.つまり,その活動があらゆる診療科に渡り,自部署以外からのニーズも高く,急性期から終末期にかけてクリティカルケアを網羅していることは,CCNSが役割を獲得するプロセスの特徴であった.
結論として,CCNSはリソースとしての責務とその権限を明確にすることで,与えられた役割の権限の範囲内,どのような活動ができるかを考え活動の方向性を常に再考し,自己分析を繰り返しながら組織への貢献のあり方を考えていた.また、<周囲に対する役割の周知>を行いながら活動による成果を上げ,その成果によって信頼関係の構築をし,変革を期待する協働者を誘引することで活動成果を上げていた.そして,その成果によって組織横断的な活動の獲得をし,さらなる成果を上げていくという【成果を蓄積する好循環】を起こしていた.CCNSが役割を獲得するプロセスにおいて,【成果を蓄積する好循環】が巡り始めるためには,卓越した看護実践から活動成果を上げることに尽力して,迅速な判断によってニーズを的確に捉えた対応をし,<活動による信頼関係の構築>をすることが重要である.
対象となるCCNSの選定は,日本看護協会に登録されている登録者一覧を用い,CCNSの認定を受け3年以上経過した者4名を対象とした.データ産出には半構造化インタビューを用いた.修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチにより,どのようなCCNSの役割から始めたか,組織のニーズの把握はどうしたかなどについてCCNSの語りを質的帰納的に分析した.
本研究は,所属大学倫理委員会の承認を得た研究計画書に基づき研究を実施した.
研究への参加に同意しない場合および途中で参加を辞退した場合であっても不利益を被らないことを保証し,研究への協力は自意思であることを研究依頼書に明記するとともに,口頭でも研究参加者に十分説明した.
生成された概念は13個あり,【活動を方向付ける思考】【成果を蓄積する好循環】の2個のコアカテゴリーと<組織ニーズと自身の対応能力のバランス調整><リソースとしての役割の明確化><得意分野を基盤とした役割を精錬する活動><活動による信頼関係の構築><変革を期待する協働者の誘引><活動による成果の産生><看護管理者との交渉><組織横断的な活動の獲得><組織横断的な活動><周囲への役割の周知>の10個のカテゴリーを抽出した.
【成果を蓄積していく好循環】において,各所からCCNSのニーズが高まり,活動の範囲は拡大していた.その結果,組織横断的な活動を獲得し,さらなる成果を上げていくプロセスとなっていた.これは自部署のみならず,リソースとしてのニーズの拡大,つまりは,あらゆる診療科で活動する機会があることを意味している.そして ,<組織横断的な活動の獲得>は,組織のニーズとして,CCNSが組織全体の急性期から終末期にかけて,クリティカルケアを担うという期待を意味していると考える.つまり,その活動があらゆる診療科に渡り,自部署以外からのニーズも高く,急性期から終末期にかけてクリティカルケアを網羅していることは,CCNSが役割を獲得するプロセスの特徴であった.
結論として,CCNSはリソースとしての責務とその権限を明確にすることで,与えられた役割の権限の範囲内,どのような活動ができるかを考え活動の方向性を常に再考し,自己分析を繰り返しながら組織への貢献のあり方を考えていた.また、<周囲に対する役割の周知>を行いながら活動による成果を上げ,その成果によって信頼関係の構築をし,変革を期待する協働者を誘引することで活動成果を上げていた.そして,その成果によって組織横断的な活動の獲得をし,さらなる成果を上げていくという【成果を蓄積する好循環】を起こしていた.CCNSが役割を獲得するプロセスにおいて,【成果を蓄積する好循環】が巡り始めるためには,卓越した看護実践から活動成果を上げることに尽力して,迅速な判断によってニーズを的確に捉えた対応をし,<活動による信頼関係の構築>をすることが重要である.