第16回日本クリティカルケア看護学会学術集会

Presentation information

一般演題(口演)

[O5] チーム医療・看護管理

[O5-1] 一般病棟入院中の人工呼吸器離脱困難患者に対するCCNSの支援

○上野 沙織1 (1. 京都第二赤十字病院)

Keywords:専門看護師、コンサルテーション、人工呼吸器離脱

【目的】
病棟看護師からのコンサルテーションをきっかけに、一般病棟入院中の人工呼吸器離脱困難患者に対して、急性・重症患者看護専門看護師(以下CCNS)が支援した内容を報告する。
【倫理的配慮】
個人が特定できないよう匿名性を確保すること、諾否によって対象者が不利益を被らないことを家族へ口頭で説明し、同意を得た。また、所属施設の倫理委員会の承認を得た。
【事例紹介】
A氏70歳代男性、左側頭葉皮質下出血及び右小脳出血を認め、皮質下出血に対して内視鏡下血腫除去術を施行し救急病棟へ入室した。術後は人工呼吸器管理を続けながら意識状態の改善を待ったが、改善しなかったため第8病日に気管切開術を施行した。第14病日より日中はTピースへ変更、第18病日に人工呼吸器を離脱して翌日に一般病棟へ移動したが、夜間に無呼吸が持続するため人工呼吸器を再装着した。第60病日、病棟看護師より人工呼吸器が離脱できず転院が決まらないと相談を受けた。
【方法】
病棟看護師・主治医と経過を整理し課題を抽出すると、家族が人工呼吸器を離脱してから脳神経専門のリハビリテーション病院へ転院を希望していること、無呼吸時間が長くCPAPへモード変更ができないこと、病棟で人工呼吸器離脱の経験がないことが挙がった。コンサルティ中心のコンサルテーションとして、目標を①病棟看護師を支援することで、A氏は人工呼吸器が離脱できる②病棟看護師が人工呼吸器に関する知識・技術を身に着けることができると挙げ、介入を開始した。
【結果】
人工呼吸器離脱に伴い二酸化炭素の貯留や呼吸筋疲労を認めるかアセスメントが必要と考え、翌日に病棟看護師・主治医と人工呼吸器離脱を試み、前後の血液ガス分析や呼気終末二酸化炭素分圧(以下ETCO2)モニターを装着して呼吸状態を評価することを提案した。そのため、病棟看護師に対してETCO2と自発呼吸トライアル(以下SBT)の方法・評価についてレクチャーし、臨床工学技士へは生態モニターでETCO2を測定できるよう依頼した。第61病日、病棟看護師・主治医と二酸化炭素の貯留がないことを確認してTピースへ変更した。30分間Tピースで過ごす中、30秒程度の無呼吸を認めたが、二酸化炭素の貯留や呼吸促迫徴候、HR・BP上昇やSpO2の低下は認めなかったためSBTは成功した。病棟看護師・主治医・理学療法士・作業療法士と人工呼吸器離脱が目標であることを共有した。翌日からのリハビリテーションについて、CCNSからの助言を元に病棟看護師が主体となってTピース時間、端坐位や立位、車椅子移乗、呼吸筋の運動、睡眠援助の計画を立案した。また、家族がリハビリテーションの参加を希望したため、目標と計画内容を説明して面会時に実施するよう依頼した。CCNSは数日毎に病棟へ出向き、各職種と情報共有を行い、計画内容の評価や修正を助言した。その後、病棟看護師を主体にリハビリテーションを実施した結果、第81病日に人工呼吸器を離脱して、第89病日に脳神経専門のリハビリテーション病院へ転院することができた。
副次的効果として、当院にCCNSが在籍していることを知らないスタッフが多かったが、事例をきっかけに相談件数が増えた。
【考察】
CCNSはコンサルタントとして、客観的にA氏の病態、病棟看護師をアセスメントし課題を明確化したこと、課題を解決するための具体的な方略を各職種・家族とすぐ共有できたことが人工呼吸器離脱の成功に繋がった。また、病棟看護師と何度も目標到達度や課題を評価し共有できたことで、人工呼吸器離脱に関する知識・技術を身に着け主体的に取り組むことが可能となった。さらに成功事例を体験したことで、その後もスタッフがCCNSを活用することができた。