[O7-4] 救命救急センター看護師の仕事に対する意欲を維持・向上できている要因
Keywords:救命救急センター、意欲、維持・向上
[はじめに]ストレスが健康状態に影響を与える関係性については首尾一貫感覚(SOC)が注目されている。本研究ではA病院の救命救急センターで働く看護師の前向きな思考に目を向け、仕事に対する意欲が維持・向上できている看護師の問題解決方法における特徴を捉え、SOC高値の要因について調査したので報告する。[目的]A病院の救命救急センターで働く看護師の前向きな思考に目を向け、SOC高値の要因について調査し、ストレッサーへの対処方法や、困難をどのように乗り越えてきたか、仕事に対する意欲を維持・向上できている要因を明らかにする。[研究方法]救命救急センターの看護師32名を対象に、SOCスケールを使用し調査する。SOCスケールの上位5名に対し半構成面接を実施する。半構成面接で得た逐語録をもとにカテゴリー化し、救命救急センターの看護師の仕事に対する意欲を維持・向上できている要因を抽出する。[倫理的配慮]本研究は調査用紙に整理番号を付け、関わりのない第3者が番号表を管理しながら集計し、個人の判別がつかないよう工夫するという方法で、A病院倫理委員の承認を得て実施した。(承認番号764)[結果]SOC調査用紙の回収率は84%で、上位5名は7~9年目1名、10年目以上3名、1~3年目が1名であった。全体平均得点51.7(SD:12.4)となり、半構成面接では11個のカテゴリーと23個のサブカテゴリーが得られた。[考察]看護師としての在り方や倫理的な問題など様々な葛藤がある中で、SOCを高く維持・向上できるという事は、その葛藤している内容を上回れるほどのポジティブな考えや、乗り越えられるきっかけがあるのたど考えられる。Q5 『日々の業務の中で本来ならば感じてはならない、感じたくないような感情を抱くことはありますか』に5名全員があると回答し、【マイナス感情との葛藤がある】のカテゴリーが得られ、SOC低下に影響すると考えられた。SOCには把握可能感、処理可能感、有意味感という3つの下位概念があり、SOCの高低に影響している。Q4『日々の業務であなたに喜びや満足を与えてくれるものは何かありますか』では【自分の成功体験を感じた時】のカテゴリーで何とかなる、何とかやっていけるという処理可能感が高まっていた。またQ7『救命救急センターの看護師としてやりがいや達成感を感じていますか』では【自分自身が良い結果を感じたとき】のカテゴリーで、自分自身をブラス面で評価でき有意味感を感じることで、マイナス感情との葛藤を上回る結果に影響したと考える。その他Q6『業務の中で、自制心を保てなくなりそうなとき、どのように対処していますか』では【メンタルコントロールが無意識に出来ている】のカテゴリーでは、自制心を保てなくなることは無いという結果であった。経験値が備わっていることで冷静に行動ができ、把握可能感が向上していると考える。また、各々が働いている意味をしっかりと把握し、自分の成長のためだという有意味感を感じていることが分かった。Antonovskyは、有意味感を最も重要な概念と考えており、SOC上位5名にも共通していることだと考える。さらに、SOCが形成されると言われている30歳頃までに介入が出来れば、仕事に対する意欲が低下することなく乗り越えていけるのではないかと考える。[結論]本研究では、経験年数とSOCが比例して高くなる結果となり、SOC高値に影響を与える内容が抽出された。しかし、どのようにしてSOCが高値となる要因を習得したのか解明されておらず本研究の限界であり、今後探求していく。[引用参考文献]1.アーロン・アントノフスキー著,山崎喜比呂,吉井清子監訳,健康の謎を解く₋ストレス対処と健康保持のメカニズム,有信堂,東京,2001