[P3-2] 急性期治療後の医療依存度の高い患者の在宅に移行に関する国内研究の動向と課題
キーワード:急性期、医療依存度、在宅移行
【目 的】 日本の高齢化は2042年にピークを迎える。今後、高齢化社会の進行により、急性期病院から在宅に退院する、あるいは地域包括ケア病棟から早期に退院する可能性があり、在宅療養の需要はますます増加する。このことで、今後は手術療法を受けた後、より短期間で在宅療養を強いられるなど、急性期の医療依存度の高い患者が在宅療養の対象となることが予想される。海外では既に在院日数は短く、在宅療養が重要な位置づけであるが、医療保険制度の違いもあり日本ではまだその位置付けにない。そのため、まずは日本の在宅療養の現状を把握する必要がある。そこで、本研究では、2000 年から 2019年までの10年間に、日本国内で掲載された急性期治療後の医療依存度の高い患者の在宅に移行に関する研究の動向と課題を明らかにすることを目的とする。
【方 法】 web版医学中央雑誌で、「急性期」「重症」「医療依存度/高い」「術後」「在宅/自宅」のキーワードで検索を行い、研究デザイン、 方法、 内容の分析を行った。対象文献における研究内容は、各文献を精読し、研究目的に対応した研究結果から、一文一意味になるよう忠実に要約し、コードを作成した。加えて、本研究目的に対応した著作権の侵害がないように倫理的配慮のもと、分析した。【結 果】 対象文献は 25 論文であり、質的研究は2件(8.0%)、 量的研究は、23件(92.0%)であった。質的研究のアプローチは、探索的・記述的研究1件(4.0%)、修正版グラウンデットセオリー法1件(4.0%)であった。量的研究のデザインは、 記述的研究デザイン23件(92.0%)であった。研究対象は、患者を対象としている研究が23件(92.0%)、看護師を対象としている研究が2件(8.0%)であった。また、患者を対象とした研究の対象者の疾患は、脳卒中10件(43.5%)、脳神経疾患(脳腫瘍など)1件(4.3%)、肺炎1件(4.3%)、外傷1件(4.3%)、心不全1件(4.3%)、腰椎疾患1件(4.3%)、胸部大動脈瘤1件(4.3%)、腹部大動脈瘤1件(4.3)、消化器がん1件(4.3%)、廃用症候群1件(4.3%)であった。看護師を対象とした研究の対象者の所属は、訪問看護師1件(50.0%)、病棟看護師1件(50.0%)であった。研究内容は「急性期病院から退院する退院先関連因子」(9コード :36.0%)、「急性期病院の入院・在院・滞在日数における影響要因」(5コード :20.0%)、「急性期にあった患者の身体、心理、日常生活活動における影響」(8コード :32.0%)、「急性期病院入院中における支援内容」(3コード :12.0%) の 4つのカテゴリに集約された.
【考 察】 以上の結果より、急性期治療後の医療依存度の高い患者の在宅に移行に関する研究は、機能障害を持ち家族支援や介護を必要とする脳卒中患者が主として研究がなされていた。その一方で、手術療法に関する患者の研究は少ないことが明らかとなった。今後、急性期治療後の医療依存度の高い患者の在宅移行に向けた動きが加速することが予測される中、その実態を明らかにすることの必要性を意味している。また、研究内容として、退院先関連因子や急性期病院の入院・在院・滞在日数における影響要因など、退院先や長期在院日数の要因の検討をしている研究が多く、急性期治療後の医療依存度の高い患者の在宅に移行する支援確立まで至っていないことが示された。今後、在宅療養の対象疾患として増加することが予想される手術後患者の早期退院後の支援の確立に向けて、喫緊の課題として実態調査の実施の必要性が示唆された。
【方 法】 web版医学中央雑誌で、「急性期」「重症」「医療依存度/高い」「術後」「在宅/自宅」のキーワードで検索を行い、研究デザイン、 方法、 内容の分析を行った。対象文献における研究内容は、各文献を精読し、研究目的に対応した研究結果から、一文一意味になるよう忠実に要約し、コードを作成した。加えて、本研究目的に対応した著作権の侵害がないように倫理的配慮のもと、分析した。【結 果】 対象文献は 25 論文であり、質的研究は2件(8.0%)、 量的研究は、23件(92.0%)であった。質的研究のアプローチは、探索的・記述的研究1件(4.0%)、修正版グラウンデットセオリー法1件(4.0%)であった。量的研究のデザインは、 記述的研究デザイン23件(92.0%)であった。研究対象は、患者を対象としている研究が23件(92.0%)、看護師を対象としている研究が2件(8.0%)であった。また、患者を対象とした研究の対象者の疾患は、脳卒中10件(43.5%)、脳神経疾患(脳腫瘍など)1件(4.3%)、肺炎1件(4.3%)、外傷1件(4.3%)、心不全1件(4.3%)、腰椎疾患1件(4.3%)、胸部大動脈瘤1件(4.3%)、腹部大動脈瘤1件(4.3)、消化器がん1件(4.3%)、廃用症候群1件(4.3%)であった。看護師を対象とした研究の対象者の所属は、訪問看護師1件(50.0%)、病棟看護師1件(50.0%)であった。研究内容は「急性期病院から退院する退院先関連因子」(9コード :36.0%)、「急性期病院の入院・在院・滞在日数における影響要因」(5コード :20.0%)、「急性期にあった患者の身体、心理、日常生活活動における影響」(8コード :32.0%)、「急性期病院入院中における支援内容」(3コード :12.0%) の 4つのカテゴリに集約された.
【考 察】 以上の結果より、急性期治療後の医療依存度の高い患者の在宅に移行に関する研究は、機能障害を持ち家族支援や介護を必要とする脳卒中患者が主として研究がなされていた。その一方で、手術療法に関する患者の研究は少ないことが明らかとなった。今後、急性期治療後の医療依存度の高い患者の在宅移行に向けた動きが加速することが予測される中、その実態を明らかにすることの必要性を意味している。また、研究内容として、退院先関連因子や急性期病院の入院・在院・滞在日数における影響要因など、退院先や長期在院日数の要因の検討をしている研究が多く、急性期治療後の医療依存度の高い患者の在宅に移行する支援確立まで至っていないことが示された。今後、在宅療養の対象疾患として増加することが予想される手術後患者の早期退院後の支援の確立に向けて、喫緊の課題として実態調査の実施の必要性が示唆された。