[P3-3] ERASプロトコル(Enhanced Recovery After Surgery)導入患者への術後回復過程に応じた看護実践
Keywords:周術期看護の実践、術後回復の質(QoR40J)、ERAS(術後回復力強化プログラム)
Ⅰ.研究目的
ERASプロトコル(術後回復強化プログラム)を導入し在院日数が短縮化する消化器外科病棟において、手術患者への術後回復過程に応じた看護実践の実際を明らかにする。
Ⅱ.研究方法
1.調査対象者
ERASプロトコル(Enhanced Recovery After Surgery)を導入している消化器外科病棟に勤務する看護師5名
2.調査方法と内容
60分程度のインタビュー調査を行う。基本属性のほか、これまで受け持った胃切除術を受けた患者への看護実践を想起してもらい、QoR-40J(術後回復の質評価)の5側面(安楽、感情、身体機能、心理的支援、疼痛)をインタビューガイドとして用い、術前・術後(1, 2~3日目, 5~6日目)の看護実践について聴取した。得られたデータを周術期の回復過程ごとに、内容の類似性にそってカテゴリー化した。
3.倫理的配慮
調査対象者の自由意思を尊重し、調査協力の諾否によって不利益を被らないことを説明した上で実施した。本研究は所属大学倫理委員会の承認を得た上で実施した。
Ⅲ.結果
1.対象者の背景
調査対象者は20歳代から40歳代の5名で、男性3名、女性2名、臨床経験年数は6年~19年で外科病棟の経験は3年~7年であった。
2.周術期患者への看護実践
術前の関わりとして、【周術期の不安緩和】【個別性への対応と課題】【主体的な術後行動への患者教育】【術後に向けた術前アセスメント】【術後経過を見据えた支援】の5カテゴリー(84コード)が抽出された。術後1日目の関わりとして【術後不快感の理解と払拭/安楽・快適さの提供】【術後疼痛の軽減】【早期離床援助/活動拡大の見極め】【術後の安全管理】【患者-看護師関係における安心感の提供】【術後合併症早期発見のための観察】【情報へのニードへの対応】の7カテゴリー(184コード)が抽出された。また術後2~3日目の関わりとして【ADL自立を自ら目指す離床援助】【状況変化や疾患への不安の緩和/介入への躊躇】【継続的な術後疼痛管理】【実践経験を活かした援助】。さらに術後5~6日目の関わりとして【継続的な心理サポートと困難感】【身体・精神面の回復の実感】【生活をイメージした患者中心の退院支援】【多職種と連携した計画的な退院支援】【患者の回復に合わせた退院支援】の5カテゴリー(173コード)が抽出された。
Ⅳ.考察
ERAS導入を含め在院日数が短縮化する外科病棟において看護師は、術後各期の特徴に応じて、安楽・快適、感情の安定、身体機能の回復、心理的サポート、苦痛の緩和の5要素に含まれる特徴的な関わりを行っていた。
術前は、術後一時的に低下するADLを予測し、離床の意識付けや術後の経過を安心して受け止められるような関わりを行う一方で、時間のなさから患者の個別性に合わせた説明ができないことを課題としていた。術後1日目は、手術侵襲や医療機器による苦痛、早期離床に伴う身体・精神的負担が大きい時期であるが、看護師はこの後に続く患者の自立を見据え、援助すべき行動と患者が自立して行うべき行動を見極めた関わりを行っていた。また看護師は、事故防止や効率を考えた安全管理にも目を向け援助を行っていた。術後2日~3日目は、患者に自立への意識付けを行い、多職種と連携しながら離床援助を行う一方、患者の多くが、がん患者であることから短期間で患者との関係性を築けない事の限界や、スピリチュアルな関わりの難しさに躊躇を感じていた。また患者の回復に伴う他患者への平等な医療資源の分配にも配慮していた。術後5日~6日目は、患者の回復状況を確信し、患者と共に退院後の目標を定め継続的な退院支援を行うとともに、後続治療や今後の不安に意識を向けた関わりを行なっていた。短期間の中で術後時期の特徴に応じた看護実践を行う一方、課題も明らかになった。
ERASプロトコル(術後回復強化プログラム)を導入し在院日数が短縮化する消化器外科病棟において、手術患者への術後回復過程に応じた看護実践の実際を明らかにする。
Ⅱ.研究方法
1.調査対象者
ERASプロトコル(Enhanced Recovery After Surgery)を導入している消化器外科病棟に勤務する看護師5名
2.調査方法と内容
60分程度のインタビュー調査を行う。基本属性のほか、これまで受け持った胃切除術を受けた患者への看護実践を想起してもらい、QoR-40J(術後回復の質評価)の5側面(安楽、感情、身体機能、心理的支援、疼痛)をインタビューガイドとして用い、術前・術後(1, 2~3日目, 5~6日目)の看護実践について聴取した。得られたデータを周術期の回復過程ごとに、内容の類似性にそってカテゴリー化した。
3.倫理的配慮
調査対象者の自由意思を尊重し、調査協力の諾否によって不利益を被らないことを説明した上で実施した。本研究は所属大学倫理委員会の承認を得た上で実施した。
Ⅲ.結果
1.対象者の背景
調査対象者は20歳代から40歳代の5名で、男性3名、女性2名、臨床経験年数は6年~19年で外科病棟の経験は3年~7年であった。
2.周術期患者への看護実践
術前の関わりとして、【周術期の不安緩和】【個別性への対応と課題】【主体的な術後行動への患者教育】【術後に向けた術前アセスメント】【術後経過を見据えた支援】の5カテゴリー(84コード)が抽出された。術後1日目の関わりとして【術後不快感の理解と払拭/安楽・快適さの提供】【術後疼痛の軽減】【早期離床援助/活動拡大の見極め】【術後の安全管理】【患者-看護師関係における安心感の提供】【術後合併症早期発見のための観察】【情報へのニードへの対応】の7カテゴリー(184コード)が抽出された。また術後2~3日目の関わりとして【ADL自立を自ら目指す離床援助】【状況変化や疾患への不安の緩和/介入への躊躇】【継続的な術後疼痛管理】【実践経験を活かした援助】。さらに術後5~6日目の関わりとして【継続的な心理サポートと困難感】【身体・精神面の回復の実感】【生活をイメージした患者中心の退院支援】【多職種と連携した計画的な退院支援】【患者の回復に合わせた退院支援】の5カテゴリー(173コード)が抽出された。
Ⅳ.考察
ERAS導入を含め在院日数が短縮化する外科病棟において看護師は、術後各期の特徴に応じて、安楽・快適、感情の安定、身体機能の回復、心理的サポート、苦痛の緩和の5要素に含まれる特徴的な関わりを行っていた。
術前は、術後一時的に低下するADLを予測し、離床の意識付けや術後の経過を安心して受け止められるような関わりを行う一方で、時間のなさから患者の個別性に合わせた説明ができないことを課題としていた。術後1日目は、手術侵襲や医療機器による苦痛、早期離床に伴う身体・精神的負担が大きい時期であるが、看護師はこの後に続く患者の自立を見据え、援助すべき行動と患者が自立して行うべき行動を見極めた関わりを行っていた。また看護師は、事故防止や効率を考えた安全管理にも目を向け援助を行っていた。術後2日~3日目は、患者に自立への意識付けを行い、多職種と連携しながら離床援助を行う一方、患者の多くが、がん患者であることから短期間で患者との関係性を築けない事の限界や、スピリチュアルな関わりの難しさに躊躇を感じていた。また患者の回復に伴う他患者への平等な医療資源の分配にも配慮していた。術後5日~6日目は、患者の回復状況を確信し、患者と共に退院後の目標を定め継続的な退院支援を行うとともに、後続治療や今後の不安に意識を向けた関わりを行なっていた。短期間の中で術後時期の特徴に応じた看護実践を行う一方、課題も明らかになった。