[PD1-3] 救命救急センターにおける外国人患者への看護実践の問題点と課題~日本国際看護師としての視点から~
Keywords:外国人患者看護、日本国際看護師、救命救急センター
今回、大阪府看護協会の日本国際看護師養成研修を受講する機会を得て、国際臨床医学会認定の日本国際看護師(NiNA)を取得した。その受講経験から、救命救急センターにおいて外国人患者へ看護実践を行う際の問題点と今後の課題について検討した。
自施設は30床の独立型救命救急センターで、中河内医療圏の三次救急医療を担っている。病院の位置する東大阪市は人口約50万人、モノづくりのまちとして事業所も多く(全国5位、事業所密度全国1位)、中小企業が多い特徴がある。少子高齢化により、主に製造業の人手不足が深刻であるため、外国人労働者の活用が進められており、外国人労働者数、外国人雇用事業所数は増加している。
当救命救急センターは年間約1,000人の救急患者を受け入れているが、そのうち外国人患者は年間で5~10名程度と少ない。その特徴は、在留外国人が殆どであり、訪日外国人は1割弱である。2015年から2019年までの5年間に受け入れた外国人患者の国籍は、ベトナム、韓国が多く、その約半数が当日または数日で軽快退院していた。日本語があまり理解できない患者は3割程度であり、その多くはコミュニケーションが取れる家族や友人、上司などの協力者がいた。しかし最近は、仕事中の事故や自殺企図も増加傾向にあり、より細やかな対応が求められる症例もあった。
以上のように、外国人症例の数は少なく、対応時に困った状況となったことは少ないものの、日本語が話せない外国人患者に対して、医療スタッフは困惑する。通常であればできるはずのことが出来ないでいるのではないか、日本人患者と同じ水準の看護は提供できているのかとの疑念があり、外国人対応に関する知識の習得は必要であると考えられる。
日本国際看護師養成研修の受講は、今までの看護を振り返る機会にもなり、特別なこととして取り組むよりもユニバーサルな考えで整理していくことが必要であることを考えさせられた。現場における外国人対応の最大の悩みは言語の問題であり、コミュニケーションへの工夫や連携が必要である。また、スタッフの意識改革や教育などのソフト面とマニュアルや環境などのハード面を整備すること、一緒に活動してくれる人を集めチームで取り組むことが至要な課題である。
現状、外国人はまだ医療弱者である。今後の課題として、外国人へのクリティカルケアの質を高めるとともに、一連のヘルスケアシステムの中の一部であることを理解し、地域と協働して次に繋がるシステム作りが重要である。
自施設は30床の独立型救命救急センターで、中河内医療圏の三次救急医療を担っている。病院の位置する東大阪市は人口約50万人、モノづくりのまちとして事業所も多く(全国5位、事業所密度全国1位)、中小企業が多い特徴がある。少子高齢化により、主に製造業の人手不足が深刻であるため、外国人労働者の活用が進められており、外国人労働者数、外国人雇用事業所数は増加している。
当救命救急センターは年間約1,000人の救急患者を受け入れているが、そのうち外国人患者は年間で5~10名程度と少ない。その特徴は、在留外国人が殆どであり、訪日外国人は1割弱である。2015年から2019年までの5年間に受け入れた外国人患者の国籍は、ベトナム、韓国が多く、その約半数が当日または数日で軽快退院していた。日本語があまり理解できない患者は3割程度であり、その多くはコミュニケーションが取れる家族や友人、上司などの協力者がいた。しかし最近は、仕事中の事故や自殺企図も増加傾向にあり、より細やかな対応が求められる症例もあった。
以上のように、外国人症例の数は少なく、対応時に困った状況となったことは少ないものの、日本語が話せない外国人患者に対して、医療スタッフは困惑する。通常であればできるはずのことが出来ないでいるのではないか、日本人患者と同じ水準の看護は提供できているのかとの疑念があり、外国人対応に関する知識の習得は必要であると考えられる。
日本国際看護師養成研修の受講は、今までの看護を振り返る機会にもなり、特別なこととして取り組むよりもユニバーサルな考えで整理していくことが必要であることを考えさせられた。現場における外国人対応の最大の悩みは言語の問題であり、コミュニケーションへの工夫や連携が必要である。また、スタッフの意識改革や教育などのソフト面とマニュアルや環境などのハード面を整備すること、一緒に活動してくれる人を集めチームで取り組むことが至要な課題である。
現状、外国人はまだ医療弱者である。今後の課題として、外国人へのクリティカルケアの質を高めるとともに、一連のヘルスケアシステムの中の一部であることを理解し、地域と協働して次に繋がるシステム作りが重要である。