[ACS1-01] [アカデミックセミナー] 診療ガイドラインを読んでみる
Keywords:診療ガイドライン
ガイドラインという言葉はすでに定着した言葉であろう。世に出る似たものに「ガイド」というものもある。では、その2つはどのように違うのだろう。診療ガイドラインはかなり厳密な手順に沿って作成されるもので、最近は安易にガイドラインという言葉は使用されなくなった。ガイドラインは昔は識者たちの意見で決まっていた時代もあったが、現在では系統的レビューをもとに作成されることが通例である。さて、ガイドラインと言うと、推奨の項目だけを見たりすることが多いのではないだろうか。弱い推奨、などである。では、実際にこれらをどう活用したら良いのであろうか。ガイドラインと言うと、そこに推奨されているものを行う、推奨されていないものは行わない、と思いがちだが、実はそう簡単な話ではない。端的に言うと、ガイドラインは意思決定の情報の一つなのである。看護では意思決定支援は重要な役割であるが、意思決定支援とガイドラインが同時に語られないのはちょっとおかしいと個人的には思っている。診療ガイドラインは、医療職、患者、家族の重要な意思決定に関する情報源なのである。特に、Shared Dicision Makingが重要とされている今日、診療ガイドラインは重要な情報を医療者のみならず、患者とその家族にも提供できるものなのである。その上で患者とその家族の好みや価値観に沿って決めていくものなのである。本講演ではガイドライン作成のプロセスや活用方法を概説しようと思う。