第17回日本クリティカルケア看護学会学術集会

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アカデミックセミナー

[ACS2] ELNEC-Jクリティカルケアカリキュラム看護師教育プログラムの開発経緯と実績 演者:任和子先生(京都大学大学院 医学研究科)

[ACS2-01] [アカデミックセミナー] ELNEC-Jクリティカルケアカリキュラム看護師教育プログラムの開発経緯と実績

○任 和子1 (1. 京都大学大学院 医学研究科)

Keywords:エンド-オブ-ライフケア、看護師教育

ELNEC-Jクリティカルケア開発研究会(http://elnecjcc.hs.med.kyoto-u.ac.jp/)は、クリティカルケア領域のエンドオブライフケアの質向上のために、ELNEC-Jクリティカルケアカリキュラム指導者用ガイドの開発や、これを元にして実施するELNEC-Jクリティカルケア看護師教育プログラムの開発を行っている。さらに、この指導者用ガイドを使って教育する指導者を養成するために、ELNEC-Jクリティカルケア指導者養成プログラムの開発と実施を行っている。指導者用ガイドの著作権は本研究会が有しており、これを使って指導するための指導者養成プログラムを実施できるのは本研究会のみである。指導者養成プログラム修了者は現在419名であり、この指導者が実施した看護師教育プログラム修了者は1393名(2021年5月31日現在)となっている。
 ELNECとはEnd-of-Life Nursing Education Consortiumの略であり、2000年に米国のアメリカ看護大学協会とCity of Hope National Medical Centerが設立した共同体である。エンド・オブ・ライフ・ケアを提供する看護師に必要な知識を教育するための系統的・包括的なプログラムを開発・提供しており、世界100カ国に普及している。ELNEC-Jクリティカルケア看護師教育プログラムは、米国で開発されたELNEC-Coreの日本版とし、すでに開発されていたELNEC-Jコアカリキュラムをもとに、日本の文化・実情に合わせて開発したものである。
 ELNEC-Jクリティカルケア看護師教育プログラムは、2年程度の経験のある看護師に理解できる内容で作成されており、クリティカルケア領域におけるエンド・オブ・ライフ・ケアに関することを系統的・包括的に学ぶことができる。具体的には、8つのモジュール(クリティカル領域におけるエンド・オブ・ライフ・ケア・痛みのマネジメント・症状マネジメント・倫理的実践・文化とスピリチュアリティ・コミュニケーション・悲嘆・看取り)で構成されている。指導者用ガイドの各モジュールには知識を整理したスライドとその解説などが含まれている。また、事例検討やロールプレイなどをさまざな教育方法を用いて研修を行えるよう、ケーススタディや補助教材などを豊富に準備している。