[ACS3-01] [アカデミックセミナー] COVID-19重症患者看護実践ガイドの活用の実際
Keywords:COVID-19重症患者看護実践ガイド
2019年中国武漢から発生したCOVID-19のパンデミックは医療システムと社会全体に多大な影響を及ぼしている。本邦においても、2020年2月からCOVID-19重症患者が発生し、今もなお重症患者に対する対応が続いている。
本邦における、COVID-19重症患者への対応に関する情報は、発生当初乏しく、マスメディアによる報道やエキスパートからの意見等が錯綜し、どの情報がベストなのか判明しない状況にあった。しかし、私たち医療従事者は目の前のCOVID-19患者の治療・ケアに当たらなければならず、大変不安な時期が続いた。日本クリティカルケア看護学会では、現場の看護師のニーズにいち早く対応し、2020年4月に「COVID-19重症患者看護実践ガイド」が作成された。同時期に、日本集中治療医学会から「ICUにおけるCOVID-19患者に対する看護Q &A」が公表され、2020年7月からは日本クリティカルケア看護学会及び日本集中治療医学会2学会合同で「COVID-19重症看護実践ガイド」Ver.2が作成され、現時点でVer.3まで更新されている。本ガイドにはCOVID-19重症患者、あるいは疑い患者を看護する上での注意点が述べられており、さまざまなガイドラインや指針などの情報が厳選されている。内容としては、患者の受け入れ体制や看護師の働き方に関する環境的側面、気管挿管や喀痰の吸引の方法、腹臥位療法等に関する実践的な内容、リハビリテーションや患者家族の面会に関する内容など多方面から文献レビューされ、臨床看護師の皆さんに役立てる内容となっている。私の所属する施設においても2020年4月からCOVID-19患者を受け入れる中で、本ガイドを用いて実践することによって、根拠をもったケアを提供することが可能となったと考えている。
今回のアカデミックセミナーでは本ガイドの作成の背景やCOVID-19重症患者のケアで困難と感じる点などについて、本ガイドを用いて解説したいと考えている。