第17回日本クリティカルケア看護学会学術集会

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アカデミックセミナー

[ACS5] 日本版敗血症診療ガイドライン2020を看護に活用する 演者:河合佑亮先生(藤田医科大学病院 看護部)

[ACS5-01] [アカデミックセミナー] 日本版敗血症診療ガイドライン2020を看護に活用する

○河合 佑亮1 (1. 藤田医科大学病院 看護部)

Keywords:敗血症、ガイドライン、看護


 2021年2月25日に日本版敗血症診療ガイドライン(J-SSCG)2020が公開された。J-SSCG2020は、敗血症診療に従事または関与する医師のみならず、すべての医療従事者に向けて作成されており、ベッドサイドに従事する看護師にとっても活用しやすい内容になっている。J-SSCG2020は、「臨床課題(CQ)の立案」「システマティックレビュー(SR)によるエビデンスの検索、収集、統合とその確実性の評価」「推奨の策定」の3つの工程を経て作成されている。合計22領域、CQ118題からなる大規模なガイドラインであるが、診療の補助を独占業務とする看護師には、これらすべてのCQを看護に活用することが期待される。本セミナーでは、J-SSCG2020の看護への活用を推進するために、下記について説明する。
 1.J-SSCG2020の概要とCQ、および推奨の解釈
 2.PICOやエビデンスプロファイルを含めた、SRとエビデンスの確実性の見かた
 3.Evidence to Decision(EtD)テーブルの見かたを含めた、推奨策定のプロセス
 また、2020年度は折しもナイチンゲール生誕200年の年であり、看護師にとってJ-SSCG2020は、ナイチンゲールの言葉を借りれば、看護するための考え方のヒントなるものと考える。薄井坦子氏は、「看護は、看護する人間の、主体的な思い方と主体的なとり組み(看護師の夢の実現過程)であり、これが、看護過程展開の技術の本質である」と述べている。本セミナーでは、看護過程展開の技術として、抽象化されたガイドラインの知識を、目の前の患者への看護実践に意識的に適用する考え方についても考察したい。J-SSCG2020を活用して看護を行うことは、看護の質の向上はもとより、看護師が自分の行為を価値あるものとして評価できることにも一層寄与すると考える。