第17回日本クリティカルケア看護学会学術集会

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[HS5] あるある事例で考えるVAE予防ケア

[HS5-01] あるある事例で考えるVAE予防ケア

○松本 誉伸1、○岡 啓太2、○前田 倫厚2 (1. 武田病院 看護部、2. 京都岡本記念病院 看護部)

キーワード:VAE予防ケア

クリティカルケアの領域で人工呼吸器関連肺炎(以下、VAP)は最も発生頻度の高い院内感染であり、合併した患者はさまざまな不利益を被ることになる。VAPサーベランスは評価者の経験に頼らざるを得ない項目があるなど、運用上の難しさが指摘されており、人工呼吸器関連イベント(以下、VAE)サーベランスの概念が新たに提唱された。
 VAEは、人工呼吸器装着によりいったん安定、あるいは改善した呼吸状態が悪化するという合併症に対するサーベランスに焦点を当てたものである。VAP予防バンドルを遵守するとVAPの発生率は低下するが、VAEの低減につながるというエビデンスは示されていない。
 VAP予防であれ、VAE予防であれ、人工呼吸器管理は早期に離脱することがゴールドスタンダードのケアになる。一方で、重症患者看護の場面では離脱困難な状況や判断が難しくなる状況に出会うことも多いだけでなく、VAPやVAE予防の観点だけで人工呼吸器の離脱を急ぎ過ぎてしまうと、逆に患者の状態を悪化させることもある。このように、人工呼吸器装着中の患者の看護は、人工呼吸器管理の知識だけでなく、患者背景を踏まえた統合的なアセスメントが求められる。
 そこで、本セッションでは、人工呼吸器離脱の可否について悩むあるある事例を通して、ディスカッションをメインにしたワークから、VAEを予防するための看護実践について学ぶ機会を提供する。

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