第17回日本クリティカルケア看護学会学術集会

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オンタイムセッション 委員会企画

[HS9] 今だからこそ事例研究で看護を発信! -事例研究を始めたい人に聞いてもらいたい座談会- 企画:日本クリティカルケア看護学会研究推進委員会

[HS9-01] [委員会企画セッション] 今だからこそ事例研究で看護を発信!
-事例研究を始めたい人に聞いてもらいたい座談会ー

○伊藤 真理1、○関根 弘子2、○中田 諭1、○明石 惠子1、○佐藤 まゆみ1、○中村 真巳1 (1. 日本クリティカルケア看護学会研究推進委員会、2. 日本赤十字看護大学大学院)

Keywords:事例研究、実践知、看護実践、看護研究

昨年より新型コロナウィルス感染症が猛威を振るい、重症患者の医療を担う集中治療室の様子が度々報道されています。「ごめんね、ちょっと横向くね・・」防護具を着用したICU看護師が挿管中の患者に声を掛けながらケアしている場面、『大変』というメッセージだけではなく、ICU看護師は何を『大切』にして実践しているのかを発信したいと思うようになりました。今だからこそ、事例報告を事例研究に発展させたい、そのきっかけづくりにしたいと考え、本交流集会を企画いたしました。

 近年、臨床における複雑な状況から意味のあるケアや概念を見出す事例研究への関心が高まっています。看護における事例研究によって、読み手の中に類似の状況が想起され、他の事例に応用できるようになります。すなわち、大切にしている“実践知”を全国の看護職と共有する意義があるのです。

 臨床の看護師が事例研究に取り組むには、まず、印象に残っている事例や困難な事例の典型事例についての事例報告(ケースレポート)から始め、その後、事例研究に発展させるとよいと思います。事例報告は、詳細な実践を記述し他者に伝えることが目的ですが、事例研究には「何らかの新しい知見」が必要です(東,他,2018)。例えば、新型コロナウィルス感染症重症患者の看護には、おそらくARDS患者の看護とは違う何かが必要なのではないでしょうか。この新しい知見を得るためには、構造化した研究のプロセスが必要となります。意識化されていない実践をその時の状況や意図を含めてデータとして引き出す支援者も必要です。日頃の実践の意味を分析する作業は、困難な道のりですが、是非ともクリティカルケア看護の奥深い実践を見つめ、言語化に挑戦したいものです。

 本交流集会では、研究推進委員会メンバーと事例研究経験者が、事例報告を事例研究に発展させるために私たち実践者・研究者はまず何に取り組むべきか、どのような準備が必要なのか、率直な意見交換を行います。是非、皆さまの参加をお待ちしております。

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