[O12-05] 集中治療部門に配置転換となった中堅看護師の実態
Keywords:中堅看護師、配置転換、集中治療部門
【目的】集中治療部門に配置転換した中堅看護師について先行研究のレビューを行い、中堅看護師の実態を把握し、中堅看護師の育成に効果的な教育支援の示唆を得ることを目的とした。
【方法】研究対象の文献は、医学中央雑誌 Web(Ver.5)(以下、医中誌と記載)を用い、「集中治療、ICU、配置転換、異動、看護」をキーワードとして、2009~2019 年 12 月までの原著論文と総説を抽出した。尚、配置転換は日本特有の文化であるため、結果に影響を与えると考え、データベースは医中誌のみに限定した。文献の選定において、次の条件で検索を行った。一次スクリーニングでは表題および抄録から、二次クリーニングでは論文全体の精読によって文献を抽出した。文献選定基準は、適応基準を①集中治療部門における看護の文献であること、②配置転換をした看護師の文献であること、③目的が配置転換をした看護師を明らかにする文献であることとした。除外基準は、①研究の体裁が整えられていない文献であること、②対象が日本以外の文献であることとした。スクリーニングによって抽出された対象論文を、著者・発行年・研究デザイン・対象者の属性・結果から配置転換した中堅看護師の実態を示す記述内容を抽出し、類似性のある内容をまとめ、分類した。倫理的配慮は、先行研究のオリジナリティや価値、位置づけなどの著者の意向に配慮しながら論旨を尊重し、得られたデータの分析に関しては分析的バイアスが生じないように適正に実施し、そのうえで研究結果の信頼性の確保に努めた。
【結果】「集中治療、ICU、配置転換、異動、看護」をキーワードとして、2009~2019 年の原著論文と総説に絞り抽出された文献は 93 件であった。一次スクリーニングの結果、15 件の文献を抽出した。二次スクリーニングの結果、6 件文献を抽出し対象文献とした。対象論文は原著論文 6 文献、総説 0 文献、研究デザインは半構成的面接調査 5 文献、無記名自記式質問紙調査 1 文献であった。対象者の属性では、対象部署が集中治療部門 3 文献、救命救急センター 2 文献、ICU と救命救急センター1 文献だった。分析対象論文一覧を作成後、配置転換した中堅看護師の実態を示す記述内容を類似性のある内容によって分類した。集中治療部門に配置転換した中堅看護師の実態は、集中治療部門の環境や患者特性に伴う心理的な影響、臨床判断や看護実践における困難、配置希望の有無が影響を与える配置転換後の疲労、同僚や自己成長による配置転換した看護師の支え、集中治療への関心と将来の自己像による看護師のやりがいが明らかとなった。
【結論】集中治療部門に配置転換した中堅看護師の実態において、集中治療部門の環境や患者特性に伴う心理的な影響、臨床判断や看護実践における困難により、今まで培ってきた経験が活かされないことに対して不安や戸惑いを抱いていると考えられる。
配置転換した中堅看護師の教育支援には、集中治療部門の特殊性から生じる心理的な影響や中堅看護師の役割を果たせないことの喪失感などによる、ストレスを生じやすい環境にあることを念頭に置きながら関わることが必要である。また、集中治療部門に配置転換した中堅看護師の教育は、臨床判断能力の獲得に主眼を置き、中堅看護師に適した教育方法を検討していくことが望ましいことが示唆される。
【方法】研究対象の文献は、医学中央雑誌 Web(Ver.5)(以下、医中誌と記載)を用い、「集中治療、ICU、配置転換、異動、看護」をキーワードとして、2009~2019 年 12 月までの原著論文と総説を抽出した。尚、配置転換は日本特有の文化であるため、結果に影響を与えると考え、データベースは医中誌のみに限定した。文献の選定において、次の条件で検索を行った。一次スクリーニングでは表題および抄録から、二次クリーニングでは論文全体の精読によって文献を抽出した。文献選定基準は、適応基準を①集中治療部門における看護の文献であること、②配置転換をした看護師の文献であること、③目的が配置転換をした看護師を明らかにする文献であることとした。除外基準は、①研究の体裁が整えられていない文献であること、②対象が日本以外の文献であることとした。スクリーニングによって抽出された対象論文を、著者・発行年・研究デザイン・対象者の属性・結果から配置転換した中堅看護師の実態を示す記述内容を抽出し、類似性のある内容をまとめ、分類した。倫理的配慮は、先行研究のオリジナリティや価値、位置づけなどの著者の意向に配慮しながら論旨を尊重し、得られたデータの分析に関しては分析的バイアスが生じないように適正に実施し、そのうえで研究結果の信頼性の確保に努めた。
【結果】「集中治療、ICU、配置転換、異動、看護」をキーワードとして、2009~2019 年の原著論文と総説に絞り抽出された文献は 93 件であった。一次スクリーニングの結果、15 件の文献を抽出した。二次スクリーニングの結果、6 件文献を抽出し対象文献とした。対象論文は原著論文 6 文献、総説 0 文献、研究デザインは半構成的面接調査 5 文献、無記名自記式質問紙調査 1 文献であった。対象者の属性では、対象部署が集中治療部門 3 文献、救命救急センター 2 文献、ICU と救命救急センター1 文献だった。分析対象論文一覧を作成後、配置転換した中堅看護師の実態を示す記述内容を類似性のある内容によって分類した。集中治療部門に配置転換した中堅看護師の実態は、集中治療部門の環境や患者特性に伴う心理的な影響、臨床判断や看護実践における困難、配置希望の有無が影響を与える配置転換後の疲労、同僚や自己成長による配置転換した看護師の支え、集中治療への関心と将来の自己像による看護師のやりがいが明らかとなった。
【結論】集中治療部門に配置転換した中堅看護師の実態において、集中治療部門の環境や患者特性に伴う心理的な影響、臨床判断や看護実践における困難により、今まで培ってきた経験が活かされないことに対して不安や戸惑いを抱いていると考えられる。
配置転換した中堅看護師の教育支援には、集中治療部門の特殊性から生じる心理的な影響や中堅看護師の役割を果たせないことの喪失感などによる、ストレスを生じやすい環境にあることを念頭に置きながら関わることが必要である。また、集中治療部門に配置転換した中堅看護師の教育は、臨床判断能力の獲得に主眼を置き、中堅看護師に適した教育方法を検討していくことが望ましいことが示唆される。