[O2-01] 人工呼吸器装着患者への浅い鎮静を維持するための判断と実践
キーワード:人工呼吸器装着患者 、浅い鎮静、判断と実践
【目的】2014年に日本集中治療学会から「日本版・集中治療室における成人重症患者に対する痛み・不穏・せん妄管理のためのガイドライン」が発表され、A病院ICUでも浅い鎮静を維持するようになっている。患者とコミュニケーションを図り、せん妄予防や早期リハビリテーションを進めていくために浅い鎮静を維持することは、看護師の判断と実践により実現できると考える。本研究は、看護師が人工呼吸器装着患者への浅い鎮静を維持するためにどのような判断と実践を行っているかを明らかにすることを目的とした。
【方法】質的記述的研究デザインを用い、A病院ICU看護師26名を対象に、半構造的面接を行った。RASS -1~-2を逸脱した場合にどのような判断、実践を行っているかの内容をコード化し、類似したコードを集めて抽象化を繰り返してカテゴリー化を行った。倫理的配慮は、A病院の看護研究倫理委員会で承認を得て実施した。
【結果】研究対象者のICU経験年数平均は4.5年、ICU経験5年以下は80%、臨床経験年数平均は12年、臨床経験年数5年以下は42%であった。
以下カテゴリーを[]で示した。RASS 0~+4の場合の判断は、3のカテゴリー[鎮痛と鎮静の評価]、[薬剤使用の判断]、[他者への報告・相談]に分類し、実践は6のカテゴリー[鎮静薬の増量]、[誤抜去予防のための付き添いやルート整理]、[スタッフへの応援依頼]、[コミュニケーションによる原因の追究]、[身体的苦痛や挿管チューブ不快の緩和]、[現状や治療上の必要性の説明と声掛け]に分類した。RASS -3~-5の場合の判断は、3のカテゴリー[深い鎮静を保つ判断]、[深い鎮静の評価]、[鎮静を浅くする判断指標]に分類し、実践は5のカテゴリー[必要がある深い鎮静の保持]、[医師への指示確認]、[鎮静薬の減量]、[他者との相談や提案]、[鎮静薬の維持]に分類した。
【考察】RASS 0~+4の場合、パートナーシップを活用し、鎮静薬の調整について[他者への報告・相談]という判断を行い、患者の自発的な行為や危険度を見極めながら[誤抜去予防のための付き添いやルート整理]、見守りができない場合や危険と判断する場合は[スタッフへの応援依頼]という実践を行っていたと考える。 [コミュニケーションによる原因の追究]では積極的に患者とコミュニケーションを図り、患者が何に苦痛を感じているかを追求し [身体的苦痛や挿管チューブ不快の緩和]する実践や、安心感が得られるよう[現状や治療上の必要性の説明と声掛け]を行っていたと考える。RASS -3~-5の場合、バイタルサインやモニター、呼吸状態、意識レベルなどに注意し、有効な鎮静が得られるよう[深い鎮静の評価]の判断から、鎮静深度の現状・目標を共通認識するため[医師への指示確認]し、PICS予防のためにも[鎮静薬の減量]する実践を行っていたと考える。またICU経験年数や臨床経験が短い看護師は的確なフィジカルアセスメントや判断について困難さを感じ[鎮静薬の維持]を行っていたと考えられ、ICU経験年数や臨床経験の短い看護師に対して鎮静についての教育を行っていくことや、スタッフ全体で実践していけるような取り組みが必要である。
【結論】RASS 0~+4の場合、薬剤の適正量のアセスメントやコミュニケーションによる原因の追究が、痛みの緩和や苦痛の軽減、安全管理、患者に安心感を与える実践につながり、浅い鎮静が維持できると考える。RASS -3~-5の場合、深い鎮静が必要であるかをアセスメントすることが重要であり、医師やスタッフと相談し、早期のリハビリテーションやせん妄予防、PICS予防のためにも、鎮静薬を減量していくことで浅い鎮静を維持できると考える
【方法】質的記述的研究デザインを用い、A病院ICU看護師26名を対象に、半構造的面接を行った。RASS -1~-2を逸脱した場合にどのような判断、実践を行っているかの内容をコード化し、類似したコードを集めて抽象化を繰り返してカテゴリー化を行った。倫理的配慮は、A病院の看護研究倫理委員会で承認を得て実施した。
【結果】研究対象者のICU経験年数平均は4.5年、ICU経験5年以下は80%、臨床経験年数平均は12年、臨床経験年数5年以下は42%であった。
以下カテゴリーを[]で示した。RASS 0~+4の場合の判断は、3のカテゴリー[鎮痛と鎮静の評価]、[薬剤使用の判断]、[他者への報告・相談]に分類し、実践は6のカテゴリー[鎮静薬の増量]、[誤抜去予防のための付き添いやルート整理]、[スタッフへの応援依頼]、[コミュニケーションによる原因の追究]、[身体的苦痛や挿管チューブ不快の緩和]、[現状や治療上の必要性の説明と声掛け]に分類した。RASS -3~-5の場合の判断は、3のカテゴリー[深い鎮静を保つ判断]、[深い鎮静の評価]、[鎮静を浅くする判断指標]に分類し、実践は5のカテゴリー[必要がある深い鎮静の保持]、[医師への指示確認]、[鎮静薬の減量]、[他者との相談や提案]、[鎮静薬の維持]に分類した。
【考察】RASS 0~+4の場合、パートナーシップを活用し、鎮静薬の調整について[他者への報告・相談]という判断を行い、患者の自発的な行為や危険度を見極めながら[誤抜去予防のための付き添いやルート整理]、見守りができない場合や危険と判断する場合は[スタッフへの応援依頼]という実践を行っていたと考える。 [コミュニケーションによる原因の追究]では積極的に患者とコミュニケーションを図り、患者が何に苦痛を感じているかを追求し [身体的苦痛や挿管チューブ不快の緩和]する実践や、安心感が得られるよう[現状や治療上の必要性の説明と声掛け]を行っていたと考える。RASS -3~-5の場合、バイタルサインやモニター、呼吸状態、意識レベルなどに注意し、有効な鎮静が得られるよう[深い鎮静の評価]の判断から、鎮静深度の現状・目標を共通認識するため[医師への指示確認]し、PICS予防のためにも[鎮静薬の減量]する実践を行っていたと考える。またICU経験年数や臨床経験が短い看護師は的確なフィジカルアセスメントや判断について困難さを感じ[鎮静薬の維持]を行っていたと考えられ、ICU経験年数や臨床経験の短い看護師に対して鎮静についての教育を行っていくことや、スタッフ全体で実践していけるような取り組みが必要である。
【結論】RASS 0~+4の場合、薬剤の適正量のアセスメントやコミュニケーションによる原因の追究が、痛みの緩和や苦痛の軽減、安全管理、患者に安心感を与える実践につながり、浅い鎮静が維持できると考える。RASS -3~-5の場合、深い鎮静が必要であるかをアセスメントすることが重要であり、医師やスタッフと相談し、早期のリハビリテーションやせん妄予防、PICS予防のためにも、鎮静薬を減量していくことで浅い鎮静を維持できると考える