[O9-01] クリティカルケア看護の看護師が捉える患者のComfort
キーワード:comfort、重症患者
【目的】重症患者のcomfortを捉える看護師の視点を明らかにすることで、目指すべき患者の状態が明示され,comfortに向けた意図的なケアが可能になると考えた。クリティカルケアの看護師がcomfortをどのように捉えているか明らかにする。
【方法】データ収集は2020年2月から3月の期間でオンライン質問紙調査を行った.対象はcomfortケアを意図的に行い,実践知を有していると考え,急性・重症患者看護専門看護師(CCNS),集中ケア認定看護師(ICN),救急看護認定看護師(ECN)とした.質問紙の内容は年齢,性別,所属部署,専門資格,経験年数であった.重症患者のcomfortに関する項目(Comfort Item in Critical Care:CICC)は,概念分析,質的記述的研究,内容妥当性検証をもとに34項目作成した.CICCは「症状緩和」「自立性」「平静」「満足」「生理的反応の安定」「落ち着いた行動・睡眠」の6つのカテゴリーで構成された.回答は4段階のリッカート尺度で求めた.各項目は項目合計(I-T)相関分析を行い,ρ<.3は削除した.次に因子分析モデルから標準化パス係数を推定した.p<.05を有意とした.CICCの全項目と各カテゴリーの信頼性は,Cronbach’s αを算出した.最後に「症状緩和」「自立性」「平静」「満足」の潜在変数を主観的comfort,「生理的反応の安定」「落ち着いた行動・睡眠」の潜在変数を客観的comfortとして確認的因子分析(CFA)を行った.各カテゴリーの項目の平均値を観測変数とした.適合度指標はCMIN/DF < 3,GFI > .90,AGFI > .90,RMSEA < .08,CFI > .90の範囲で評価した.データは,SPSS Ver 25.0およびAMOS Ver 25.0を使用して分析した.所属大学の倫理審査委員会の承認を得て実施した(管理番号:607).
【結果】120人が回答した(回答率8.1%).対象者の半数以上が40代(n=64,53.3%)で,3分の2以上が女性(n = 82,68.3%)であった.所属は,ICU(n=41,34.2%),救急外来(n=23,19.2%)の順に多かった.専門資格は,ECN(n=52,43.3%),ICN(n=44,36.7%),CCNS(n=22,18.3%)であった.対象者の多くは,クリティカルケア看護における6年以上の看護経験(n = 116,96.7%)を有していた.CICCの得点は平均3.10~3.93であった.I-T相関係数はρ=.30~.636で,.30未満の項目はなかった.CICC34項目のうち「耐えられると感じる」は,標準化パス係数(β=.15,p=.103)をもとに削除した.したがって,その後の分析は33項目で行った.CICC33項目のCronbach’s αは.923で,各カテゴリーでは.684~.895であった.CFAの結果,適合度指標は,χ2=11.578(df=7,p=.115),CMIN/DF=1.654,GFI=.971,AGFI=.914,RMSEA=.074(90%CI=.000,.147),CFI=.984で推奨値を満たしていた.主観的comfortと客観的comfortの間のパス係数は.61であった.
【考察】看護師は重症患者のcomfortについて,患者の主観的な反応と客観的に表れる反応を捉えていた.その中で,「平静」,「満足」,「落ち着いた行動・睡眠」に重点が置かれていた.これらの看護師が捉える視点は,重症患者がcomfortであるかの観察の視点だけでなく,目指すべき患者の状態になると考える.
【結論】CICC33項目は患者の主観的な反応と客観的な反応を捉え,患者がcomfortであるかを総合的に分析するために使用できる可能性がある.
【方法】データ収集は2020年2月から3月の期間でオンライン質問紙調査を行った.対象はcomfortケアを意図的に行い,実践知を有していると考え,急性・重症患者看護専門看護師(CCNS),集中ケア認定看護師(ICN),救急看護認定看護師(ECN)とした.質問紙の内容は年齢,性別,所属部署,専門資格,経験年数であった.重症患者のcomfortに関する項目(Comfort Item in Critical Care:CICC)は,概念分析,質的記述的研究,内容妥当性検証をもとに34項目作成した.CICCは「症状緩和」「自立性」「平静」「満足」「生理的反応の安定」「落ち着いた行動・睡眠」の6つのカテゴリーで構成された.回答は4段階のリッカート尺度で求めた.各項目は項目合計(I-T)相関分析を行い,ρ<.3は削除した.次に因子分析モデルから標準化パス係数を推定した.p<.05を有意とした.CICCの全項目と各カテゴリーの信頼性は,Cronbach’s αを算出した.最後に「症状緩和」「自立性」「平静」「満足」の潜在変数を主観的comfort,「生理的反応の安定」「落ち着いた行動・睡眠」の潜在変数を客観的comfortとして確認的因子分析(CFA)を行った.各カテゴリーの項目の平均値を観測変数とした.適合度指標はCMIN/DF < 3,GFI > .90,AGFI > .90,RMSEA < .08,CFI > .90の範囲で評価した.データは,SPSS Ver 25.0およびAMOS Ver 25.0を使用して分析した.所属大学の倫理審査委員会の承認を得て実施した(管理番号:607).
【結果】120人が回答した(回答率8.1%).対象者の半数以上が40代(n=64,53.3%)で,3分の2以上が女性(n = 82,68.3%)であった.所属は,ICU(n=41,34.2%),救急外来(n=23,19.2%)の順に多かった.専門資格は,ECN(n=52,43.3%),ICN(n=44,36.7%),CCNS(n=22,18.3%)であった.対象者の多くは,クリティカルケア看護における6年以上の看護経験(n = 116,96.7%)を有していた.CICCの得点は平均3.10~3.93であった.I-T相関係数はρ=.30~.636で,.30未満の項目はなかった.CICC34項目のうち「耐えられると感じる」は,標準化パス係数(β=.15,p=.103)をもとに削除した.したがって,その後の分析は33項目で行った.CICC33項目のCronbach’s αは.923で,各カテゴリーでは.684~.895であった.CFAの結果,適合度指標は,χ2=11.578(df=7,p=.115),CMIN/DF=1.654,GFI=.971,AGFI=.914,RMSEA=.074(90%CI=.000,.147),CFI=.984で推奨値を満たしていた.主観的comfortと客観的comfortの間のパス係数は.61であった.
【考察】看護師は重症患者のcomfortについて,患者の主観的な反応と客観的に表れる反応を捉えていた.その中で,「平静」,「満足」,「落ち着いた行動・睡眠」に重点が置かれていた.これらの看護師が捉える視点は,重症患者がcomfortであるかの観察の視点だけでなく,目指すべき患者の状態になると考える.
【結論】CICC33項目は患者の主観的な反応と客観的な反応を捉え,患者がcomfortであるかを総合的に分析するために使用できる可能性がある.