第17回日本クリティカルケア看護学会学術集会

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学術集会長講演

[PL1] クリティカルケアにおける多様性への対応 演者:藤野智子(聖マリアンナ医科大学病院 看護部)

[PL1-01] [会長講演] クリティカルケアにおける多様性への対応 
ー Correspondence to Diversity in Critical Care Nursing ー

○藤野 智子1 (1. 聖マリアンナ医科大学病院 看護部)

Keywords:クリティカルケア、多様性、Diversity

昨今、「多様性:ダイバーシティー」という言葉を耳にする機会が増えてきました。
 この「多様性:ダイバーシティー」の言葉には、性別・年齢・国籍などの『属性』と、価値観やライフスタイルという『思想』の2つがあるとされています。では、なぜこの言葉が多用されるようになったのでしょう。
 我が国では、単一の価値観や周囲との同調をよしとする文化が根付いており、過去には多様性を排除する風土もあったかもしれません。しかし、今ではそれらを受容していく時代へと大きく変化しています。この背景には、世界的なイノベーションの加速や国内の労働者人口の減少などがあります。そして企業競争の激化により多様な能力を有する人材の確保、働き方改革など具体的な施策や行動レベルに変化しています。
 「多様性:ダイバーシティー」をクリティカルケアに照らしてみますと、クリティカルな患者の病態構造は、生活習慣病などの基礎疾患により複雑・多様化しています。また、治療選択における意思決定や急性期からの在宅移行や遠隔医療など、療養の場も多様化しています。このような背景に伴い、チーム医療や看護師の役割拡大など医療者の価値観も変容していくことが社会に求められていると考えます。そして、看護師自身もミレニアル世代の若手と、定年延長に伴うベテランが共存している現在は、あらゆる価値観やライフスタイルも異なります。
 このような流れを受け、第17回学術集会では「クリティカルケアにおける多様性への対応 - Response to Diversity in Critical Care Nursing -」をメインテーマといたしました。
 刻々と変化する時代にあわせ、クリティカルケア看護領域へ新たな知見と示唆を提供できることを願っております。