[PS23-01] [プラクティスセミナー] 急性期重症患者の新・褥瘡予防戦略
キーワード:創傷管理、褥瘡、予防
2002年に施行された「褥瘡対策未実施減算」を皮切りに、これまでわが国では診療報酬制度に基づいた総合的な褥瘡対策が実施されてきました。それにより、国内の褥瘡有病率は低下の一途を辿りましたが、大学病院に焦点を絞ってこの10年間における褥瘡有病率ならびに推定発生率を振り返ってみると、実際にはその低減率に低迷を認めているのが現状です。その要因として、褥瘡ハイリスク患者に対する褥瘡予防ケアが未だ十分に確立していないことが挙げられます。
褥瘡ハイリスク患者の多くは集中治療の対象となる急性期重症患者です。また、2006年に施行された「褥瘡ハイリスク患者ケア加算」の算定要件に該当するのも、その殆どが急性期重症患者です。つまり、診療報酬制度によって重点的な褥瘡対策が講じられてもなお、褥瘡発生率が低減しない集中治療領域の現状は大きな問題であると考えられます。
急性期重症患者の褥瘡発生率を低減させるという大きな課題に対し、求められるのは「確実な効果をもたらす褥瘡予防対策」です。そこで、このセミナーでは、現行の看護ケアでは発生を防ぐことが困難な褥瘡を予防するための新・褥瘡予防戦略について考えてみたいと思います。