[PS25-01] [プラクティスセミナー] 送電線の電磁波って危ないの?-WHOの見解を紹介します-
キーワード:電磁波、健康影響、WHO
近年、個人あるいは事業目的による電磁界(電磁波)発生源の増加やその形態の多様性には眼を見張るものがある。これらの技術は我々の生活をより便利に、より快適にする一方、電気を使えば必ず電磁界が発生し、その健康影響に関する国民の不安は少なくない。1996年に開始した、WHO(世界保健機関)の国際電磁界プロジェクト(International EMF Project)は、静(Static, 0 Hz)、超低周波(ELF; extremely low frequency, >0-300 Hz)、中間周波(IM; intermediate frequency, 300 Hz-10 MHz)、無線周波 (RF; radiofrequency, 10 MHz-300 GHz)の各電磁界(EMF; electromagnetic fields)の健康リスクを行うことを目的としている。
WHOはこれまでに、静電磁界および100kHzまでの低周波電磁界の健康リスク評価を終了し、高周波電磁界のリスク評価は2018年以降に行う予定である。講演では、①WHOの健康リスク評価手法、②2007年に発行された低周波電磁界に関する環境保健クライテリア238、③WHOのリスク評価を受けて、ICNIRP(国際非電離放射線防護委員会)が2010年に発行した新たなばく露防護ガイドライン、④商用周波磁界ばく露の小児白血病への寄与リスク等について説明したい。
(参考資料)
1. WHO International EMF Project web site: www.who.int/peh-emf
2. ICNIRP: http://www.icnirp.org/
3. EHC (2007), Environmental Health Criteria 238, ISBN 978-92-4-157238-5
4. WHO (2007) - Fact Sheet N°322 (現在はBackgrounder June 2007):http://www.who.int/peh- emf/publications/factsheets/en/
5. ICNIRP (2010) Guidelines for Limiting Exposure to Time-Varying Electric and Magnetic Fields (1 Hz - 100 kHz). Health Physics 99(6):818-836
2005年 WHOジュネーブ本部 WHO国際電磁界プロジェクト サイエンティスト
2008年 一般財団法人電気安全環境研究所 電磁界情報センター 所長
2014年 電波の日 総務大臣表彰
2015年 瑞宝小綬章