第17回日本クリティカルケア看護学会学術集会

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プラクティスセミナー

[PS8] これだけ知っておけば大丈夫!低体温療法の基本をマスターしよう。

[PS8-01] [プラクティスセミナー] これだけ知っておけば大丈夫!低体温療法の基本をマスターしよう

○嶋岡 征宏1 (1. 山口大学医学部附属病院 看護部)

キーワード:低体温療法、心停止後症候群

心拍再開後には、心停止に伴う全脳虚血や再灌流障害で惹起される脳障害が問題となる。そのため、心拍再開後の限られた時間内に、どれだけ適切な治療を実施できたかということは、神経学的および生命学的予後において非常に重要である。
 心停止後症候群(PCAS)に対する代表的な治療の1つとして、低体温療法がある。これは患者の体温を32-34℃の低体温(12-24時間)にすることで、細胞の代謝を抑制し、脳損傷を防ぐことで脳機能を保護するものである。蘇生後の患者に対して低体温療法を実施することで、神経学的な転帰を改善させられる可能性が見出されている。『心肺蘇生』だけでは十分でなく、『脳蘇生』までを含めた包括的な集中治療が必要になってきている。低体温療法は神経学的転帰の改善が期待できる反面、低体温に伴う生理学的変化により、合併症が生じる。安全に低体温療法を実施するためには、低体温療法をすることによる生理学的変化、合併症を十分理解しておくことが必要である。
 本セミナーでは、低体温療法をこれから経験する看護師を対象に、低体温療法のエビデンスや患者管理に必要な基本的な知識の取得を目標に解説する。