[EM6] コロナ禍を経験して、クリティカルケアの口腔ケアを再考する

[EM6-01] 口腔ケア委員会交流集会　コロナ禍を経験して、クリティカルケアの口腔ケアを再考する

○浅香 えみ子¹、安藤 有子²、佐藤 憲明³、石井 恵利佳⁴、川原 千香子⁵、剱持 雄二⁶、佐藤 央¹、門田 耕一⁷ (1. 東京医科歯科大学病院、2. 関西医科大学附属病院、3. 日本医科大学付属病院、4. 獨協医科大学埼玉医療センター、5. 愛知医科大学、6. 東海大学医学部付属八王子病院、7. 岡山大学病院)

Keywords:口腔ケア、口腔ケアガイド、新型コロナウイルス感染症

新型コロナウイルス感染症対策において、米国疾病管理予防センター（CDC）は標準予防策に加え、空気感染対策、接触感染対策^１）、世界保健機関（WHO）からは、標準予防策に加え、飛沫感染対策、接触感染対策かつエアロゾル産⽣⼿技(aerosol-generating procedures)では空気感染対策を用いるような勧告が出ている^２）。また、⽇本環境感染学会による医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイドにおいては「エアロゾル産⽣⼿技（気管挿管・抜管, 気道吸引、NPPV 装着、気管切開術、⼼肺蘇⽣、⽤⼿換気、上部消化管緊急内視鏡、気管⽀鏡検査、ネブライザー療法、誘発採痰など）においては、N95 マスクを装着する」としている^３）。従って、短距離で行うエアロゾル発生手技としての口腔ケアを行う際は、飛沫感染対策にとどまらず空気感染対策が推奨される^４）。これらのことから、高密度かつ高頻度にエアロゾルが発生することが懸念される口腔ケアにおいて、従来からの標準予防策、経路別感染対策で使用するPPEの考え方にとどまらない考え方が必要とされ、すでに実践されている施設が多いことが想定される。
　当委員会は2021年2月に気管挿管患者の口腔ケアガイドを公表した。時を同じくして新型コロナウイルス感染症は世界規模のパンデミックに拡大し、今日に至るまで我々の日常を脅かしている。本交流集会では、クリティカルケアにおける口腔ケアがコロナ禍を経験して、どのように変化し、どのような工夫がなされているのか、口腔ケア実践ガイドの臨床における価値を基本原則に立ち返り、最善のケアを目指して再考する機会にしたいと考える。
文献
1. CDC：Interim Infection Prevention and Control Recommendations for Healthcare Personnel During the Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) Pandemic，Updated Feb. 23，2021 https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/ hcp/infection-control-recommendations.html
2. WHO：Infection prevention and control during health care when novel coronavirus (nCoV) infection is suspected，Interim guidance https://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/332447/WHO-2019-nCoV-IPC-2020.1-eng.pdf
3. http://www.kankyokansen.org/uploads/uploads/files/jsipc/ COVID-19_taioguide4.pdf
4. 厚生労働省：新型コロナウイルス感染症（COVID-19）診療 の手引き　第 5 版，2021 https://www.mhlw.go.jp/content/ 000785119.pdf