第18回日本クリティカルケア看護学会学術集会

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一般演題

[O13] 家族看護2

Sun. Jun 12, 2022 2:20 PM - 3:30 PM 第4会場 (国際会議場 21会議室)

座長:姥迫 由記子(山口大学医学部附属病院)

2:44 PM - 2:56 PM

[O13-03] ICUに入室した重症小児患者の家族への看護に関する文献研究

○髙瀬 愛1、清村 紀子2 (1. 大分大学医学部附属病院、2. 大分大学医学部看護学科)

Keywords:重症小児患者、家族看護、内容分析、文献研究

【目的】
ICUに入室した重症小児患者家族への看護について、先行研究から網羅的に明らかにする。
【方法】
文献は、医中誌Web、CiNii、PubMedを用いて、2011年~2020年9月時点までに公開された学術論文について、シソーラス用語「ICU」「クリティカルケア看護」「小児」「家族看護」、MeSH用語「Intensive Care Units」「Pediatric Nursing」「Family Nursing」「Critical Care Nursing」、をキーワードに検索した。結果、国内文献25件、国外文献70件が抽出され、ICUに入室した重症小児患者家族への看護について記述があることを選定条件に選別し、最終的に国内文献6件、国外文献12件の計18文献を対象文献として、Berelson,B.の内容分析手法で分析した。対象文献を各1文脈単位として、重症小児患者家族への看護について記述された箇所を主語と述語からなる記録単位として抽出した。記録単位を意味内容の類似性に着目してサブカテゴリ化、さらに飽和状態に至るまでカテゴリ化した。分析のプロセスでは共同研究者間で十分吟味し、信用性・信憑性の確保に努めた。データ抽出では著者の意図および論文中の意味内容が損なわれないように留意し、また文献の使用においては出典を明記することで著作権を侵害しないよう倫理的配慮に努めた。
【結果】
495記録単位が抽出され、サブカテゴリ化(55)、カテゴリ化(13)に至った。抽出されたカテゴリは、<児の最期の時まで家族に寄り添う>、<家族の意思決定を支援する>、<家族全体をケアする>、<児の状態について情報提供する>、<信頼関係を構築する>、<親役割が果たせるように支援する>、<医療チームとして家族を支える>、<親子の愛着形成を支援する>、<家族の衝撃を緩和する>、<児へのケアに家族も取りこむ>、<安心できる環境を準備する>、<家族の健康状態に配慮する>、<児と家族が共に過ごせる時間を大切にする>、であった。
【考察】
カテゴリ<安心できる環境を準備する>、<児へのケアに家族も取りこむ>、<児と家族が共に過ごせる時間を大切にする>、<児の状態について情報提供する>は、重症小児患者の家族へ日常的に繰り返し提供されるべき看護と考えられた。また、カテゴリ<医療チームとして家族を支える>、<信頼関係を構築する>は、家族と医療チームが協力して児を支えるさまを表すもので、重症小児患者家族の看護における家族を含むチームアプローチの重要性を示すものと考えられた。一方、カテゴリ<家族の衝撃を緩和する>、<家族の意思決定を支援する>、<児の最期の時まで家族に寄り添う>は、クリティカルケア看護領域における特徴的なカテゴリと言え、病態や状況が刻々と変化する状況・場面に応じた看護として捉えることができる。さらに、カテゴリ<家族全体をケアする>、<親子の愛着形成を支援する>、<親役割が果たせるように支援する>は、小児看護領域における特徴とも言える家族の発達課題を達成するための支援を包含しており、重症小児患者家族への看護において家族の成長を視座にもつ重要性を示すものと考える。
【結論】
先行研究を内容分析した結果、13のカテゴリが抽出された。13カテゴリには、日常的に提供される看護、チームとして提供される看護、状況・場面に応じて提供される看護、家族の発達課題を達成するために提供される看護が包含されていた。