第18回日本クリティカルケア看護学会学術集会

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プラクティスセミナー(オンデマンド)

[WS1] プラクティスセミナー(オンデマンド配信)

Sat. Jun 11, 2022 10:00 AM - 4:00 PM プラクティスセミナー (オンデマンド配信)

11:00 AM - 12:00 PM

[WS1-02] 術前心機能データのみかた

○長尾 工1 (1. 公益財団法人 榊原記念財団附属 榊原記念病院)

Keywords:心機能評価、術前、若手看護師

術前の心機能評価と聞いて、どんな項目を観察して、周術期にどう活用したら良いでしょうか?
心機能を評価するためには、多くのデータを統合し、アセスメントすることが必要となります。今では、多くの医療機器により収集できるデータは、心エコーやレントゲン、カテーテル検査、血液検査結果など多く収集することができます。その他にも病歴、身体所見からも心機能を推測できる場合もあります。一方で緊急手術を受ける患者さんの場合は、これらのデータが少なく、心機能を評価することは困難となりやいです。しかし、クリティカルケア看護を行うものにとって、心機能を評価し、術中・術後に起こる事象を推論していくためには必須ではないでしょうか。
クリティカルケア領域で手術は、多かれ少なかれ侵襲であり、潜在的にもしくは明らかに心臓疾患を持っている場合では致死的な心不全を起こす可能性が高くなります。医療技術が進歩した今では、手術適応が拡大しており、超高齢者の方でも手術に臨まれる場面も少なくなりません。高齢患者さんが手術に臨むと、基礎疾患の多さや合併症リスクが高いことで回復に時間を要してしまう場合もあります。手術の難易度や重症度によって、周術期の問題が多くなりやすく、アセスメントと提供するケアの選択は重要となります。どんな患者さんであっても、合併症の予防と早期回復を図るために安全な周術期看護を提供することが、クリティカルケア看護師には求められていると思います。
術前の心機能評価を行うために、盲目的に患者さんのデータを収集すると、データ評価やアセスメントにも時間を要してしまいます。毎回、膨大な時間を要した結果で効果的なケアを提供していれば問題はありません。しかし、忙しい日常業務の中では、膨大な時間を割くことは困難だと思います。そのため、より効果的にデータを収集・評価、アセスメントしてくために、ポイントを絞り、優先度を考えておくことが必要ではないでしょうか。
本プラクティスセミナー「術前心機能データのみかた」では、若手看護師を対象とし、基礎的な知識から、データを用いて周術期(術中・術後)のアセスメントにどう活かすのかについて一緒に学習していければと思います。