第18回日本クリティカルケア看護学会学術集会

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プラクティスセミナー(オンデマンド)

[WS1] プラクティスセミナー(オンデマンド配信)

Sat. Jun 11, 2022 10:00 AM - 4:00 PM プラクティスセミナー (オンデマンド配信)

1:00 PM - 2:00 PM

[WS1-04] 心電図波形のみかた(基礎編)

○原田 愛子1 (1. 国立循環器病研究センター 看護部)

Keywords:心電図、不整脈

クリティカルな状態の患者を観察するうえで切り離せないものの一つとして心電図がある。しかし、よほどの心電図好きでなければ多少なりとも苦手意識を持っている方が多いのではないだろうか。心電図波形を正しく理解し、患者状況を把握するためには、まず心電図が体のどのような反応をもとにして現れているか、正常な心電図とはどのようなものかということの理解が必須となる。
 心電図は大きく分けると生体モニターとして常時観察を行うモニター心電図と、より詳しく状態を把握するために施行する12誘導心電図がある(18誘導心電図などもあるが、今回は省略する)。モニター心電図は全身状態把握のために循環器疾患の有無によらず重症患者に装着していることが多く、ゆえに何か変化があった時にすぐに異常に気付けるかどうかの知識が必要となる。また、より詳しく患者状況を把握できる12誘導心電図は、その結果はもちろんのこと、どのようなときに実施するかという実施のタイミングも重要となる。そして、より確実に異常を知るためにはやみくもにモニターをつけるのではなく、「正確で見やすい波形」をこちらで作り出すことが必要となる。日常的に目にしている心電図だからこそ基本的な管理を確実に行い、異常を見逃さないようにしていくことが重要である。
 心電図波形は、大きく分けるとP波、QRS波、T波の3つから成り立っている。まずはこれらが何を表しているのかということを理解し、そのうえでそれぞれの波形の異常時には患者の体でどのようなことが起こっているのかということを予測できるようにしていく。さらに、その異常はしばらく様子を見ていてよいものか、すぐに医師に報告が必要なものかという判断が行えるよう、基礎編ではモニター心電図を中心に心電図波形の基本的な見方を一緒に学んでいきたい。 これまでモニター心電図を装着している患者を担当していても心拍数のみを注視し、モニターの心電図波形は意識していなかったという人も、モニターの「波形」を意識して患者のアセスメントに活かせるように一つ一つ説明していきたい。