[WS1] プラクティスセミナー（オンデマンド配信）

[WS1-05] 心電図波形のみかた（応用編）

○原田 愛子¹ (1. 国立循環器病研究センター 看護部)

Keywords:心電図、不整脈

集中治療領域で日常的に使用されている心電図は、患者の変化を瞬時に受け取ることができ、重症患者のアセスメントには欠かせないものとなっている。基礎編では基本的な心電図波形や日常的に見る機会の多い異常波形について説明した。本セミナーでは応用編として心電図波形の見方を説明するが、この応用というのは、なかなか判別の難しい珍しい症例を読み解くことを目的とはせず、基本的な内容を理解したうえでどのように看護につなげていくか、より具体的に疾患と結びつけながら心電図をもとに患者の繊細な変化に気付けるかということに重点を置いて説明していく。
　通常、集中治療室では24時間モニタリングが可能なモニター心電図を使用するが、それだけでは不十分な場合はより細かな情報を得られる12誘導心電図を用いる。特に急性心筋梗塞では12誘導心電図を実施することが必須であり、そこから発症時期・部位・今後の治療方針などを予測することができる。もちろん心エコーや胸部X線画像も重要な検査ではあるが、12誘導心電図は非侵襲的であり看護師がすぐに行える貴重な検査の一つである。実際にどのように12誘導心電図を実施して判断し、患者情報と結びつけていくのか、事例を通して一緒に考えていきたい。また、心臓自体に異常がなくても起こる心電図変化などについても学び、心電図波形が全身状態を映すものであることを理解して患者のアセスメントにつなげられるようにしていきたい。そして、本セミナーを受講した後は、常に患者のそばで観察を行っている看護師だからこそ心電図波形の異常を早期に発見し、心電図波形を通してこれまでよりも患者の状態をより深くアセスメントできるようになるとともに心電図に対する苦手意識が少しでも克服されることを期待したい。