The 29th Annual Meeting of the Japanese Association of Cardiac Rehabilitation

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パネルディスカッション

[PD4] パネルディスカッション4
「Pros/Cons:疾病受容を促すべきか、見守るべきか」

Sat. Jul 15, 2023 5:10 PM - 6:40 PM 第9会場 (4F G401)

座長:庵地 雄太(国立循環器病研究センター心不全・移植部門)
座長:石原 俊一(文教大学人間科学部心理学科)

 患者が自分自身の疾病を正しく理解し、受容を深めてゆくことは治療の根幹であり、健康寿命を延伸し、QOLを維持・向上させるための土台である。本来、疾病の理解や受容は患者自身が家族等と共に主体的に深めてゆくことが望ましい。しかし、すべての患者が自分自身の疾病を理解し受容するに必要な情報、意欲、能力などを十分に持っているわけではない。
一方、医療者は、今後予測される疾患の予後や経過についての知識や情報を持っており、患者の健康寿命を延伸しQOLを維持・向上させるための望ましい療養行動/生活習慣についても熟知する。そのため、理解や受容が不十分な患者や家族等に適切なケアやサポートを提供することが求められる。しかし、患者や家族等の求めているケアやサポートと、医療者による受容や理解を促す支援との間に齟齬や乖離が生じてしまい、患者・医療者の双方にとって非常にストレスフルな状況に陥ってしまうことがある。
 このような状況を回避すべく、このセッションでは基調講演とpros/cons形式でのパネルディスカッションを通じて、患者や家族等の状況や特性に応じた疾病受容、理解に関するケアやサポートの在り方を検討する。基調講演では、循環器疾患に精通する精神看護専門看護師より”疾病を受容する、病状を理解するということ”について概説をいただき、その後pros/consでは4名の心理師が「(疾病受容や病状理解を)積極的に促すべき」という立場と「(疾病受容や病状理解を)慎重に見守るべき」という立場にそれぞれ2名ずつ分かれてディベートを行う。そして最後の総合討論では、基調講演やディベートを通じて整理・抽出された疾病受容や病状理解のアプローチや課題を全体で議論し、望ましいケアやサポートを探索したい。